「同決議」は、さらに全ての諸国に対して、以下の要請を出した。

  • パレスチナ人民の自決権行使の促進
  • パレスチナ被占領地におけるイスラエルの違法な存在から生じた状況の不承認
  • そのような状況の維持への不支援
  • パレスチナ被占領地の物理的な性格、人口構成、制度的構造・地位に対する変更の不承認(パレスチナ被占領地におけるイスラエルの違法な存在に関わる条約、経済・貿易関係、外交関係を忌避し、違法な存在を支援する貿易・投資を防ぐ)
  • 国際人道法の遵守
  • 人種差別撤廃条約違反行為を終了させるための努力
  • 自国民がイスラエルの違法な存在の維持に加担しないようにする方策
  • 入植活動を通じて生産された製品の受領及び武器の提供の回避
  • 違法な存在に関わる自然人・法人に対する移動制限や資産凍結などの制裁
  • 全ての犠牲者に対する説明責任への支援

さらに「同決議」は、犯罪行為の捜査だけでなく、損害賠償を果たすための国際的なメカニズムの設置や、国際人道法を構成するジュネーブ諸条約に基づく国際会議の開催も呼びかけた。

付記になるが、この決議において一貫して「違法な存在」という言葉が使われているのは、ICJ勧告的意見を踏襲してのことである。「占領」は、正当な自衛権行使の結果として生まれた場合、必ずしも違法とは言えない可能性がある。しかしイスラエルの長期に渡る事実上の武力による併合である「占領」行為が違法であることが、ICJ勧告的意見で確認された。そのためこの総会決議でも「違法な存在」という概念が用いられている。

どのような説明がなされようとも、安全保障上の懸念があるといったことが言われたとしても、イスラエルのパレスチナ被占領地における存在は違法だ、という趣旨である。

なおこの決議に対して、日本は賛成票を投じた。同じ東アジアのアメリカの同盟国である韓国が棄権に回ったことを考えると、評価できる行動だろう。ただし「法の支配」を尊重する日本の姿勢の一貫性を見せるためには、最低限に必要不可欠な事柄であったとも言える。