このあたりにもぜひ答えていただきたいものです。

「日本は年30兆円を海外に支払って化石燃料を輸入している。『35年60%以上』に再生エネを増やせば、15兆円以上を国内に還流できるとの試算もある。ペロブスカイト太陽電池や浮体式風力、蓄電池を国産化できれば、さらに国益が増進する」

こちらのコメントについては、奇しくもこの記事と同日にアゴラに公開された杉山さんの論考で否定されました。なんてタイミング!

国富の流出を防ぐために再エネって本当か
日本の化石燃料輸入金額が2023年度には26兆円に上った(図1)。これによって「国富が流出しているので化石燃料輸入を減らすべきだ、そのために太陽光発電や風力発電の導入が必要だ」、という意見を散見するようになった。 だが...

日本の化石燃料輸入金額が2023年度には26兆円に上った(図1)。これによって「国富が流出しているので化石燃料輸入を減らすべきだ、そのために太陽光発電や風力発電の導入が必要だ」、という意見を散見するようになった。

だがこの説は本当だろうか。

(中略)

発電用に限って言えば化石燃料輸入金額は3.2/2+1.6/2=2.4兆円程度だったことになる。化石燃料の輸入総額に比べると、だいぶ少なくなる。

(中略)

「化石燃料輸入」は「国富流出」と同義ではない。

(中略)

化石燃料は、その利用技術も含めると、全体として安価かつ有用なエネルギーだ。だからこそ日本はそれを活用して自動車を走らせ、製造業を発展させた。太陽光発電や風力発電で化石燃料利用を減らす試みは経済的にマイナスにしかならない。再エネ設備の輸入代金が流出するし、電気代高騰による産業空洞化で製品輸入が増えて国富が流出するからだ。

もしどうしても化石燃料の購入代金による「国富の流出」も減らしたければ、化石燃料の自主開発を進め、資源権益の確保を進めればよい。これはエネルギー安全保障の確保にもなる。