そんなこんなで、1時間ほどで8匹ほどのカワムツを手にできました。当たりはひっきりなしに来るのですが、口が小さく思ったように咥えてくれないため、数はあまり上げられていない状況のまま一度休憩することに。
絶滅危惧種『スナヤツメ』を発見
釣り始めて一時間ほどが経ち、しばしの休憩時間。川に足を突っ込んでいる時間はここ最近で一番のストレス緩和でした。しばらく川を眺めていると、足元でニョロニョロと動く何かが……。
持参していた網目が細かい網ですくってみると、しばらくの間言葉を失いました。すくったモノの口元を見ると、気味が悪いエイリアンのような円形の口。そして、体の横にいくつかの穴が空いている……。初めて見たため一瞬目を疑いましたが、その正体は紛れもなく絶滅危惧種に指定されているスナヤツメ。「嘘だろ?」と思いましたが、間違いなくスナヤツメでした。
3億年以上前から姿を変えずに生き残ってきた「生きた化石」。この世に生まれて来てまさか出会える日が来るとは思いもしませんでした。自身が釣りをしていた場所は、昔はウナギが獲れたと聞いていたので最初はウナギだと思いました。しかし口元をみた瞬間、そこにあったのは魚の口ではなくエイリアンのような口。口元を撮ろうとしたのですが、体をくねらせ思うように撮らせてくれなかったためあえなく断念。写真では分かりにくいですが、写っているのは正真正銘のスナヤツメです。絶滅危惧種ということもあり名残惜しいですがすぐにリリース。
天然記念物に指定されてはいないものの、天然のスナヤツメを見るのは近年とても難しく、非常にレアであるとのこと。そんなスナヤツメと出会えたことは奇跡と言っても過言ではないでしょう。今思えば、こんな奇跡を足元ですくえたのは本当にビックリでした。人生何があるか分かりませんが、日々を過ごしている中で、意外と近くにチャンスや奇跡は転がっているのかもと、このスナヤツメは思わせてくれました。そしてその余韻に浸りながら釣りを再開。本当に最高の時間です……。