加えて、社会貢献活動を行うことで、他者からいわゆる「意識高い系」=「自己頭示欲求や承認欲求が強い人」といったレッテルを貼られ、距離を置かれることを避けたいと考えている。

 こうした環境の中で、旅行体験を通じて社会貢献活動を行うZ世代が登場している。

 彼らは社会貢献活動を旅行中のアクティビティの一つとして捉えることで、プレッシャーや義務感を感じたり、他者の目を気にすることなく、自身の好きなことを通じて環境や社会に貢献する機会を作っている。

 彼らは旅行中に、地域への貢献活動の一環として住民と同じ目線で仕事をしたり、生活を共にすることで、都会では味わえない土地や人との強い繋がりを感じたいと考えている。

 また、地域貢献を通じてその地域コミュニティに馴染むことによって、地元の人から直接情報収集をしてニッチな場所や体験を発見するなど、ネットからは見えてこない地域の魅力を探索している。

Z世代は社会貢献活動を娯楽の一つとして捉えている

 ミレニアル世代にとって社会貢献活動は社会問題に対して強い課題意識や当事者意識を持つ人が使命感や責任感を持って取り組むものであった。

 しかし、社会的なサステナブル意識の高まりやSDGs教育を受けているZ世代は誰もが日常的に取り組むことだと考えている。

 彼らは社会貢献活動を娯楽の一つと捉え、趣味や人との交流などを楽しみながら行うといったエンターテイメント性を取り入れることで、義務感や責任感といったプレッシャーを感じたくないと考えている。