マイクロモビリティは環境課題に貢献できるか?! 48.6%が懸念する「今夏の旅行先での交通渋滞」【HMSモビリティジャ…

総合モビリティサービス企業であるホンダモビリティソリューションズ(以降、HMS)が、経済や環境などの社会課題の視点から、モビリティの発展とその影響価値を発信していくニュースレター「HMS モビリティジャーナル」。

本号では、今まさにピークを迎えている夏休みの旅行移動における、CO2排出などの“環境課題”に目を向け、「エコで便利なモビリティ」として期待が寄せられているこのマイクロモビリティの現状や、モビリティジャーナリストによる注目ポイントの解説、モビリティに関する意識調査などをまとめています。

今回の「HMSモビリティジャーナルLight」では、ダイジェスト版として、マイクロモビリティの基本や編集部が独自で行った“マイクロモビリティに関する意識調査”をお届けしていきます。

1.マイクロモビリティとは

マイクロモビリティとは、おもに10マイル(16 km程度)までの短距離移動を効率的に行う小型の交通手段を指します。現行の多くのサービスではシェアリングシステムで手軽に使用でき、また電動式で、専用の道路や駐車スペースをあまり必要とせず、既存のインフラを有効活用できる点が特徴です。

世界初のマイクロモビリティは1993年ヤマハ発動機がリリースした電動アシスト自転車です。そこから2000年代に入り、環境意識の高まりと共に電動スクーターなどが登場し始めます。2010年代に入ると、シェアリング形式での利用が普及し、2018年には「Lime」や「Spin」などの新興企業が電動スクーターシェアのサービスを開始しました。サンフランシスコほか行政の後押しもありアメリカで利用が急増。市場が盛り上がる一方、市場そのものの新規性が高く、電動キックボードのパイオニアブランドであった「Bird」などを含め企業淘汰が続きます。

現在では関連する技術の進歩、コロナ禍やデジタル化を経ての通勤習慣の変化、そして環境に優しい交通手段への需要の高まりによって飛躍的に成長しており、特に交通量が多く、駐車場も限られる都市部では導入が加速。世界市場規模はすでに1,000億ユーロ近くに到達し、今後も増加が予想できそうです。