「三井住友カード」は日本で初めて発行されたVisaブランドのクレジットカード。この一般カードにあたる「三井住友カード(旧クラシックカード)」「三井住友カードA(旧クラシックカードA)」の年会費を無料にする方法、還元率、付帯保険などを、同じく銀行系クレカ「MUFJカード」と比較し、その特徴や魅力を紹介しよう。

目次
1,三井住友カード(旧クラシックカード)とはどんなカードなのか?
2,ポイント還元率を解説
3,旅行傷害保険の詳細
4,その他の特典・優待サービスを紹介
5,その他の特徴
6,追加カードの年会費は
7,選ぶ上でのポイント

1,三井住友カード(旧クラシックカード)とはどのようなクレジットカードなのか?

三井住友銀行のグループ会社である三井住友カードが発行していることから、銀行系クレジットカードと定義付けられることがある。似たようなカードとして、三菱UFJニコスが発行するMUFGカードもあり、両者ともに日本を代表する銀行系カードだ。そこで項目によってはMUFGカード(ディズニー・デザイン)との比較も交えつつ、三井住友カードの一般カードのスペックを中心に紹介していく。

一般カードにあたるカードには、「三井住友カード(旧クラシックカード)」と「三井住友カードA(旧クラシックカードA)」の2種があり、いずれも申し込み対象は満18歳以上(高校生除く)となっている。収入についての記載がないことから、銀行系クレジットカードといっても審査のハードルはそこまで高くないと思われる。

この2つのカードの違いは、「三井住友カードA」の年会費は「三井住友カード」に比べて150円高く、旅行傷害保険が海外だけでなく国内にも適用され、補償金額もより高く設定されているところだ。

まずは2つのカードの基本スペックを見てみよう・

「三井住友カード」と「三井住友カードA」の違い

三井住友カード
(旧クラシックカード)
三井住友カードA
(旧クラシックカードA)
年会費 ネット入会初年度無料
2年目から1.250円(税別)
ネット入会初年度無料
2年目から1,500円(税別)
家族カード
年会費
1人目:入会初年度年会費無料
通常400円(税別)
1人目:初年度年会費無料
通常550円(税別)
旅行傷害
保険
最高2,000万円の
海外旅行傷害保険
最高2,000万円の
海外・国内旅行傷害保険

>>>「三井住友カード(旧クラシックカード)」の詳細を見る(公式サイトへ)

三井住友カードの年会費を無料にする方法

年会費については初年度無料で、年会費割引特典の利用によりさらに安くなる。この年会費割引特典は三井住友カードが発行するカード全般に適用されるものなので、ほかのカードに対する適用条件も含めて次に紹介しよう。

割引条件1,「カードご利用代金WEB明細書サービス」の利用

カード利用代金明細書をウェブサイトでのみ確認するサービスを設定するだけ。三井住友カード プラチナ・ゴールド・プライムゴールドでは翌年度の年会費が1,000円(税別)割引に、それ以外のカードで500円(税別)割引になる。割引対象は本会員の年会費のみ。

割引条件2,自動リボ払いサービス「マイ・ペイすリボ」の申し込みと利用

自動リボ払いサービス「マイ・ぺイすリボ」に登録し、年1回以上の利用(2021年2月支払い分からは年1回のリボ払い手数料の支払い)があれば翌年度年会費が無料または半額に(三井住友カード プラチナは対象外)。

三井住友カード ゴールド・プライムゴールド・エグゼクティブは半額に、それ以外は無料になる。なお「カードご利用代金WEB明細書サービス」による年会費割引と重複しての割引も可能だ。

リボ払い手数料が気になる人は、年1回だけリボ払い手数料が発生するようにして、それ以外はリボ支払い金額を上げるか繰り上げ返済により実質一括払いとすればよい。

割引条件3,年間カード利用金額に応じた割引

年間カード利用金額に応じて翌年度の年会費が割引される。「マイ・ペイすリボ」による割引とは重複不可で、どちらか割引率が高いほうが適用される。

「カードご利用代金WEB明細書サービス」による割引とは重複可。割引額は以下のようになる。
 

対象カード 支払い金額
100万円以上
300万円未満
支払い金額
300万円以上
三井住友カード ゴールド
三井住友カード プライムゴールド
次回年会費が
20%引
次回年会費が
半額
三井住友カード エグゼクティブ 次回年会費が
25%引
次回年会費が
半額
それ以外のカード 次回年会費が
半額
次回年会費が
無料

※期間は前年2月~当年1月
※三井住友カード プラチナ、法人カード、提携カード等は対象外

この年会費割引特典により、三井住友カードと三井住友カードAの年会費は無料になり、「カードご利用代金WEB明細書サービス」の利用による割引だけが適用された場合では、それぞれ年会費は750円(税別)、1,000円(税別)になる。

MUFGカードの年会費と比較

年会費をMUFGカードと比較してみると、一般カードにあたるカードの1つ「MUFGカード(ディズニー・デザイン)」は年会費1,250円(税別)。初年度年会費無料、また学生は在学中のみ年会費無料となる。

このカードにも年会費優遇があり、登録型リボ払いサービス「楽Pay」の利用により年会費(税込)金額が半額に。このカードでいうと年会費は675円(税込)となる。

三井住友カードと三井住友カードAで、自動リボ払いサービスを利用すると年会費が無料になることを考えると、年会費に関してはMUFGカードよりもコスパは良い。

2,三井住友カード(旧クラシックカード)のポイント還元率を解説 通常0.5%相当と一般的水準

クレジットカードを作る上で重要な判断材料となる「ポイントサーボス」。三井住友カードが発行するカードではVポイントというポイントが貯まる。主な交換対象ごとの移行・交換レートをまとめておこう。
 

Vポイント交換レート表

交換対象 Vポイント→
交換対象ポイント等
キャッシュバック 5P→3円
ANAマイレージ 500P→300マイル
iDバリュー 1P→1円
Tポイント 500P→400P
Pontaポイント
楽天Edy
スターバックスカード
WAONポイント
楽天スーパーポイント 500P→500P
dポイント
ビックポイント
PeXポイント
Pontaポイント
(au契約者)
三井住友カードWAON
Amazonギフト券
Google Play
ギフトコード
App Store&iTunes
ギフトカード

Vポイントの交換先と価値 還元率は0.5%目安

交換対象によってポイントの価値は変わってくるが、キャッシュバックなら5ポイント→3円のレート、Tポイント、スターバックスカードへの移行なら500ポイント→400円相当ポイントのレート。

楽天スーパーポイント、dポイント、Pontaポイント(au契約者)、三井住友カードWAON、Amazonギフト券、Google Playギフトコード、App Store&iTunesギフトカードへの交換なら500ポイント→500円相当ポイントのレートとなる。

また、ANAマイルへの移行なら500ポイント→300マイルのレートだ。マイルの価値は1マイル→2円相当といわれているので、マイルに移行する場合のポイント還元率は0.6%だが、全体的に見ておおよそ0.5%の還元率と考えていいだろう。これはクレジットカードのポイント還元率としては一般的な水準で決して高いとはいえない。

提携カードでの還元率やポイントアップの仕組みを解説

提携カードではVポイントではなく提携先ポイントの場合もある。三井住友カードと三井住友カードAではクレジット利用金額1,000円(税込)につき1ポイントが貯まり、

  • セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドでの利用分はポイント5倍
  • ポイントサイト「ポイントUPモール」を経由してネットで買い物をすると2倍~最大20倍のポイントアップ

    そのほか、三井住友カード独自のポイントアップの仕組みとして、「ココイコ!」というものがある。これは事前エントリーし提携店舗でカードを利用すると、ポイントやキャッシュバック特典をもらえるというものだ。

    一例を挙げると、タカシマヤや大丸、東急百貨店、東急ハンズ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどではポイント3倍かキャッシュバック1%を選択でき、ビックカメラや紀伊國屋書店、びっくりドンキー、かっぱ寿司などではポイント2倍かキャッシュバック0.5%を選択できる。

MUFGカードのポイントプログラムと比較 月の利用額でお得度は変化

比較としてMUFGカードの利用で貯まるグローバルポイントを見てみよう。こちらはクレジット利用1,000円につき1ポイントが貯まる。

また、月間のクレジット利用金額に応じて当月の獲得ポイントが優遇される仕組みがある。具体的には月間3万円以上10万円未満なら20%ポイント加算、月間10万円以上なら50%のポイント加算となる。

貯めたグローバルポイントがどのような還元率で、どんな交換先があるのか見ていこう。
 

グローバル・ポイント交換レート表

交換対象 グローバルポイント→
交換対象ポイント等
キャッシュバック 1ポイント
→4円
nanacoポイント 1ポイント
→3円相当ポイント
WAONポイント
Pontaポイント 1ポイント
→4円相当ポイント
楽天スーパーポイント
Tポイント
dポイント
au WALLETポイント
JALマイル 1ポイント
→2マイル

これを見ると全体的には三井住友カードのVポイントのほうがポイントの価値が高く、結果的に還元率も高い傾向があると考えていい。

ただしMUFGカード(ディズニー・デザイン)の場合、月間3万円以上を利用していれば三井住友カードと同等のポイント還元率となり、月間10万円以上の利用ならMUFGカードのポイント還元率のほうが良くなってくる。

>>>「三井住友カード(旧クラシックカード)」の詳細を見る(公式サイトへ)

3, 三井住友カード(旧クラシックカード)の旅行傷害保険の違いは?

付帯保険のうち、年間100万円限度のショッピング保険は両方に付帯。一方で旅行傷害保険については三井住友カード(旧クラシックカード)と三井住友カードA(旧クラシックカードA)で補償額や適用範囲が異なっている。

三井住友カード(旧クラシックカード)は利用付帯の海外旅行傷害保険のみ

まず三井住友カードを見てみよう。付帯するのは最高2,000万円の海外旅行傷害保険だけとなり、旅行代金をカードで支払う利用付帯が適用条件となっている。

なお、自動付帯とは旅行代金をカードで支払ったかどうかに関係なく保険が適用され、利用付帯とは旅行代金をカードで支払ったときにのみ保険が適用されるものをいう。
 

三井住友カード(旧クラシックカード)の海外旅行傷害保険

種類 補償額

傷害死亡
後遺障害

最高2,000万円
傷害治療費用
(1事故の限度額)
50万円
疾病治療費用
(1疾病の限度額)
50万円
賠償責任
(1事故の限度額)
2,000万円
携行品損害
[自己負担:1事故3,000円]
(1旅行中かつ1年間の限度額)
15万円
救援者費用
(1年間の限度額)
100万円

三井住友カードA(旧クラシックカードA)は自動・利用付帯で海外・国内旅行傷害保険が付く

一方、三井住友カードAには、最高2,500万円(賠償責任補償)の海外旅行傷害保険と、最高2,000万円の国内旅行傷害保険が付帯している。。
 

三井住友カードA(旧クラシックカードA) 海外旅行傷害保険

種類 補償額
傷害死亡
後遺障害
合計 最高2,000万円
自動付帯分 300万円
利用条件分 1,700万円
傷害治療費用
(1事故の限度額)
100万円
疾病治療費用
(1疾病の限度額)
100万円
賠償責任
(1事故の限度額)
2,500万円
携行品損害
[自己負担:1事故3,000円]
(1旅行中かつ1年間の限度額)
20万円
救援者費用
(1年間の限度額)
150万円

 

三井住友カードA(旧クラシックカードA) 国内旅行傷害保険

種類 補償額
傷害死亡
後遺障害
合計 最高2,000万円
自動付帯分 300万円
利用条件分 1,700万円

MUFGカードの保険サービスと比較

比較としてMUFGカード(ディズニー・デザイン)の付帯保険を見てみると、最高2,000万円の海外旅行傷害保険(利用付帯)と年間100万円限度のショッピング保険が付く。

気をつけたいのが、次年度以降のカード利用額が年間20万円未満の場合、海外旅行傷害保険の最高補償額が最高100万円にまで減額されてしまところだ。その点を考えると同じ年会費の三井住友カード・三井住友カードAのほうが高い評価となる。

4,その他の特典・優待サービスを紹介

三井住友カード(旧クラシックカード)と三井住友カードA(旧クラシックカードA)では、三井住友カード共通のサービスを受けることができる。トラベル・グルメ・エンターテインメント関連の特典・サービスが付帯するが、ここでは特に充実しているトラベル関係について紹介しよう。

ホテル宿泊優待「VJホテルステイプラン」「VJトラベルデスク」

「VJホテルステイプラン」は全国のシティホテル・リゾートホテルに優待料金で宿泊できるサービス。「VJトラベルデスク」では国内外のパッケージツアーが最大5%オフになる。

宿泊予約サービス「Hotels.com」優待

国内外の数十万軒の宿泊施設の予約ができる「Hotels.com」が提供するセール価格から9%オフ、あるいは4%オフに加え「Hotels.com」のリワード(10泊につき1泊が無料になる)優待が適用される。そのほか限定セールの特典も用意。

宿泊予約サービス「Relux(リラックス)」優待

一流ホテル・旅館を厳選した宿泊予約サービス「Relux(リラックス)」を初回5%オフ、2回目以降3%オフで利用できる。

海外レンタカー優待

ハーツレンタカーを10%オフ、バジェットレンタカーを最大15%オフで利用できる。

空港宅配サービス

国際線利用時に、指定の場所と空港間で荷物を宅配できるサービスを通常料金より15%オフで利用できる(対象空港:成田国際空港、羽田国際空港、関西国際空港、中部国際空港)。

手荷物預かりサービス・コート預かりサービス

空港で手荷物・コートを預かるサービスを通常料金より15%オフで利用できる(対象空港:成田国際空港、羽田国際空港、関西国際空港、中部国際空港)。

レンタルモバイルサービス

空港で海外用携帯・海外用Wi-Fiルーターをレンタル料50%オフ、通話料15%オフで利用できる(対象空港:成田国際空港、羽田国際空港、関西国際空港、中部国際空港)。

スーツケースレンタルサービス

スーツケースのレンタルサービスを通常料金より15%オフで利用できる。

MUFGカードの特典・サービスと比較

トラベル関係の特典・サービスについてMUFGカードでは、

  • 海外・国内パッケージツアーが最大5%オフになるツアーデスク
  • 国内レンタカー6社、海外レンタカー5社で優待を受けられるレンタカーサービス
  • スーツケースレンタル優待
  • 海外Wi-Fiルーターレンタル優待

    などが提供されており、甲乙つけがたいものがある。特典・サービスのバリエーションでいうと、三井住友カードのほうが充実している印象があるが、レンタカーサービスについてはMUFGカードのほうが選択肢は多い。

    5,その他の特徴: VISAとMasterCardの“デュアル発行”が可能

    三井住友カードというとVISAブランドのイメージが強いが、実はMasterCardブランドの扱いもある。同じカードでVisaブランドとMasterCardブランドの2枚を同時発行する“デュアル発行”も可能だ。

    三井住友カード(旧クラシックカード)と三井住友カードA(旧クラシックカードA)では、デュアル発行による2枚目のカードの年会費は250円(税別)となり、2枚目の家族カードの年会費は1人目は初年度無料、通常250円(税別)となる。

    デュアル発行のメリットは、カード加盟店が増える分だけクレジット支払い可能な店舗が多くなることだが、VisaとMasterCardでは重複する加盟店も多いため、実際には両方を持っていても大きな違いとはならない。

    ただし、VisaブランドのカードはApple Payではアプリ内支払いなどに対応していないため、そうした部分ではMasterCardブランドのカードとの併用にはメリットがある。

    また、グレードの高いカードでデュアル発行すると、VisaとMasterCardそれぞれのゴールドカード向け特典やプラチナカード向け特典を利用できる。

6,家族カードやETCカードなど追加カードの年会費は? 

最後に追加カードについて触れておこう。

家族カードは三井住友カード(年会費400円・税別)、三井住友カードA(年会費550円・税別)が初年度無料で作れる。

そのほかにも

  • ETCカード(年会費500円・税別、初年度年会費無料)
  • iDカード(年会費無料)
  • 三井住友カードWAON(発行手数料300円・税込、年会費無料)
  • PiTaPaカード(年会費無料、年一度の利用条件あり)
  • バーチャルカード(年会費300円・税別、初年度年会費無料)

    が発行可能。

    それに対してMUFGカード(ディズニー・デザイン)では家族カード(年会費1名400円・税別、初年度無料)と、新規発行手数料1,000円(税別)がかかるETCカードと銀聯カードのみ追加可能となっている。

7,選ぶ上では、上位カードの取得予定の有無も重要なポイント

三井住友カードの特徴をMUFGカードとも比較しながら紹介してきた。主な違いは、旅行保険にあるので、旅行によく行く人であれば「三井住友カードA(旧クラシックカードA)」、旅行にはたまにしか行かないというのであれば、「三井住友カード(旧クラシックカード)」を選ぶとよいだろう。また、ANAマイレージを貯めているならMUFJカードよりもこちらを選ぶ方が効率的だ。

クレジットカード選びは何より自分のニーズに合ったものを選択するのが大切。三井住友カードは、一般カードだけでなくゴールドやプラチナグレードも用意されている。それらの特典・サービスが自分の生活にマッチするかも考慮した上で選ぶと、満足のいくクレジットカード選びができるはずだ。

>>>「三井住友カード(旧クラシックカード)」の詳細を見る(公式サイトへ)

三井住友カードの上位グレードについて詳しく知りたい場合、下記の記事も参考にしてもらいたい。

>>>「三井住友カード ゴールド」の魅力とは? ポイント還元率アップや医師の無料相談サービスも!

>>>「三井住友カード プラチナ」のメリットは?年会費、還元率、優待・サービスなど徹底解説
 
執筆・モリソウイチロウ

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。  

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