厚生年金は月13万円から療養費2.5万円を引いて支給されるので、毎月10.5万円が家族の生活費になる。このため家族は際限なく延命治療を要求する。これが寝たきり大黒柱である。

こういうケースは、コロナで入院した老人を、いつまでも引き取らない家族に多い。寝たきり老人の延命には毎月100万円以上かかるので、病院も長くいてもらったほうがありがたい。損するのは、それを支援している健保組合と国保の加入者である。

同じ問題は、生活保護や前期高齢者(65~74歳)でも起こる。これをなくすには、高齢者の年金(あるいは生活保護)受給額を老人医療の自己負担以下に制限する必要があるが、根本的にはこういうモラルハザードの原因になる後期高齢者医療制度を廃止すべきだ。