説明スキルさえあれば次期フリーランスの前例に

――実際に税務調査が来ることになったら、意識すべきことは何ですか?

税務調査のとき、その経費の意図について問われます。つまり、どの出費についても売上との関係性を説明できることが重要です。話し方が伝わりづらい、何かしら後ろめたい事情があるなどの印象を与えてしまえば、信用度が下がってしまうかもしれません。

ただし、相手は人ですから、きちんと説明する姿勢を見せれば理解してくれます。今まで経費として認めてこなかったような出費であっても、そこにどのような理由があるのかあなたが説明すれば問題ありません。

フリーランスの場合、新しいビジネスモデルのもと働いている人も多く、その経費は多岐にわたります。税務調査を通じ、認められる範囲を広げる前例を作ることもできるでしょう。ですので、売上のために必要だった出費は、どんなものであっても積極的に申告し、税務調査で説明していくべきだと思います。

税務調査に備えて索引しやすい書類と説明を

(写真=大口葉撮影、YANUSYより引用)

年収が高くなればなるほどプレッシャーを感じる税務調査。しかし、その実態はあくまで対人関係のもと過去の取引に対する姿勢を審査される調査であり、そのための対策も絞られてくる。

  • 売上額によっては税務調査の対象になりやすい条件がある

    ・税務調査は強制的ではなく、日程調整と合意のもと行われるもの
    ・過去数年分の領収書を整理し、取引と照らしてすぐに索引できる状態にしておく
    ・その経費がなぜ必要だったか説明できる準備をしておく

税務調査がどのようなものか知ったうえで、対策を日ごろ進めておくこと、自身が税務署にどのように見えているのかをある程度理解しておくことが信用できるフリーランス像として税務署側に伝わるだろう。

後編では、年収1000万円を超えた多くのフリーランスが検討する法人化について聞く。フリーランスが法人化すべきタイミングとは。合同会社と株式会社ならどちらが有利か。インボイス制度への対策として法人化は妥当か。税理士の目から見たフリーランスと法人化のトピックを掘り下げる。

(【大河内薫さんに聞く・後編】につづく)

提供元・YANUSY

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