続々と登場しているQRコード決済サービスだが、ストレスなくさまざまなシーンで使うには利用限度額も見逃せない。実はサービスや支払方法によって大きく異なるのをご存じだろうか。PayPay、楽天ペイなど大手4社の利用限度額を比較検証してみよう。
導入が加速するキャッシュレス決済の中でも注目が集まるスマホ決済
キャッシュレス決済とは、購入したサービスや商品の代金を現金以外の方法で支払うことである。このうち、最近導入が推進されているのはQRコードやバーコードを利用したスマホ決済だ。
スマホ決済では、スマートフォンに専用アプリをダウンロードして、利用額をチャージしてからQRコードやバーコードを使って支払うのが一般的。スマートフォンが利用者の生活に密着しているだけでなく、事業者にとっても導入が簡単なのが人気の理由である。
QRコード決済の利用限度額を比較……PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、d払い
QRコードを読み取るスマホ決済はさまざまあるが、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、d払いなどが、知名度が高い。これらのサービスには限度額があり、一定期間においてその額以上は決済ができない仕組みになっている。
ついついスマホ決済を使いすぎて、使用できないという事態を避けるためにも、4つのサービスの支払方法と、それぞれの利用限度額を紹介しよう。
PayPay――還元率の高いキャンペーンで話題
支払方法は、PayPay残高、Yahoo!マネー、またはクレジットカード(JCBブランドのYahoo!JAPANカード、VISA、Mastercard)の3通りから選ぶことができる。
利用限度額は支払方法や本人認証サービス設定の有無、青バッジ(※)の有無で違いがある。
※「青バッジ」とは、アカウント画面の表示名の脇にある青色バッジのこと。本人認証サービス認証済みのユーザーが、一定の登録条件や利用状況にあるときに表示される。
支払方法 | 利用限度額 | |||
---|---|---|---|---|
本人認証サービス未認証 | 本人認証サービス認証済み | |||
青バッジなし | 青バッジあり | |||
PayPay残高 | 預金口座からチャージして支払い | 50万円/1回 | ||
Yahoo!JAPANカードからチャージして支払い | チャージ不可 | 2万円/過去24時間 5万円/過去30日間 |
25万円/過去24時間および過去30日間 | |
Yahoo!マネー | 預金払い | 不可 | 50万円/1日 | |
マネー残高払い | 50万円/1回 | 50万円/1日 | ||
クレジットカード | 5,000円/過去30日間 | 2万円/過去24時間 5万円/過去30日間 |
25万円/過去24時間および過去30日間 |
※上記一覧は、PayPayホームページより該当部分を引用して執筆者が作成した。
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楽天ペイ――楽天IDベースのキャッシュレス決済
楽天ペイは、楽天IDにクレジットカード情報を登録するのが前提となるサービスだ。支払方法は、クレジットカード、楽天ポイント、楽天キャッシュ(電子マネー)の3種類ある。
楽天ペイアプリの利用限度額は最大で1回50万円に設定されている。楽天IDの会員ランクや店舗によって上限額が異なるので、ユーザー各自で確認する必要がある。ちなみにコンビニでの決済は、支払方法を問わず利用上限額は4,000円だ。クレジットカード払いを選択する場合には、登録するクレジットカードの利用可能枠が上限となる。
LINE Pay――LINEユーザーに身近なサービス
支払方法には、プリペイドカードであるLINE Payカード、LINE Pay残高、クレジットカード(オンライン決済のみ)がある。
利用限度額は、支払方法の違いや本人確認の有無によって異なる。LINE Payアカウントは登録時点ではLINE cashとなっており、本人確認手続きを行うことでLINE Moneyに移行する仕組みだ。
支払方法 | 利用限度額 | |
---|---|---|
LINE Cash (本人確認なし) |
LINE Money (本人確認済み) |
|
LINE Payカード払い | 10万円/1回または1ヵ月 | 100万円/1回 |
チャージ残高払い | 10万円/1回 | 100万円/1回 |
クレジットカード払い | 制限なし | 制限なし |
※上記一覧は、LINEホームページより該当部分を引用して執筆者が作成した。
d払い―ドコモ携帯使用料と合算払いできるのが特徴
d払いの支払方法は特徴的であり、ドコモの携帯電話使用料との合算払い、クレジットカード払い、dポイント充当、あるいはドコモ口座充当から選択できる。dポイント充当およびドコモ口座充当の場合は、それぞれの残高が利用限度額となる。クレジットカード払いは本人認証サービスの設定が必須だ。
携帯電話使用料との合算払いの利用限度額は条件によって違う。
支払方法 | 携帯電話契約期間 | 利用限度額 | |
---|---|---|---|
携帯電話使用料との合算払い | 19歳まで | ― | 1万円/1ヵ月 |
20歳以上 | 1~3ヵ月目 | 1万円/1ヵ月 | |
4~24ヵ月目 | 3万円/1ヵ月 | ||
25ヵ月目~ | 10万円/1ヵ月 | ||
クレジットカード払い | ― | 登録クレジットカードの利用枠 |
※上記一覧は、ドコモd払いホームページより該当部分を引用して執筆者が作成した。
QRコード決済で限度額が高いのはクレジットカード払いか本人認証サービス設定済みの場合
QRコードなどを使用するスマホ決済の限度額は、支払方法や本人認証サービス設定の有無などの条件によって異なる。PayPay以外のサービスではクレジットカード払いを選択すると、クレジットカードの利用枠が限度額になるため高額支払いに対応しやすい。
設定で決済可能になる最高限度額の一覧は下記の通り。
サービス名 | 決済可能な最高限度額 |
---|---|
PayPay | 50万円/1回 |
LINE Pay | 100万円/1回 |
楽天Pay | 50万円/1回※ランクにより異なる |
d払い | 10万円/1ヶ月 |
本人確認の有無が問われるサービスにおいては、本人認証サービス認証済みのほうが未認証の場合よりも限度額が高くなる傾向。本人確認を前提にすると、支払限度額がもっとも高いのは、1回100万円まで支払可能なLINE Payカード払いとLINE Pay残高払いとなっている。
スマホ決済をよく利用する人は利用限度額も確認してサービスを選ぶことで、よりストレスなく使用することができるだろう。
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
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