内向型に対する勘違い

物静かでじっくり考えてから行動するといった傾向からか、「内向型は内気で、人づきあいが苦手」というイメージをもつ方も少なからずいます。カウンセリングでも、人間関係についての相談が多く寄せられます。実際に、内向型にはそういった特性があるのでしょうか?私の考えはこうです。

(1)内気とは限らない

「内気」の意味を調べてみると「気が弱く、人前では、はきはきしない性格。また、そのさま」と出てきます(小学館『大辞泉』より)。内向型は頭のなかでしっかり情報処理をしてから話す傾向があるので、周りの人の目には口数が少なくて気が弱く、煮え切らないように映るかもしれません。

でも、「口数が少ないこと」と「気の弱さ」は必ずしもイコールではないですよね?私がこれまでに接してきた内向型のなかには、自分の意見や信念をしっかり発言し、いい意味で頑固な方も多くいらっしゃいました。

(2)人見知りとは限らない

内向型はひとりで過ごす時間を大切にするため、外向型に比べると人と一緒に過ごすことにそれほど積極的ではない面もあるかと思います。また、人と接することも刺激のひとつなので、特に知らない人との会話では構えたり緊張したりして、慣れるまでに時間がかかるケースもあるでしょう。

だからといって、「内向型はみんな人見知り」というのは決めつけです。「自分は社交的で、人と話すのが好きで接客業をしている。そのせいか、『内向型』と言っても信じてもらえない」という内向型の方もいます。

(3)コミュニケーション能力が低いとは限らない

話すのが苦手、会話が続かない、うまく話がまとまらない。そういった悩みも、多く寄せられます。確かに、情報処理に時間がかかり、常に頭のなかが考え事でいっぱいの私たち内向型は、外向型に比べるとトーク力は劣るかもしれません。

だからといって私は、内向型はコミュニケーション能力が低いとは考えていません。

コミュニケーションとは「社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと」という意味です(小学館『大辞泉』より)。会話はキャッチボールであり、投げる人と受ける人がいて、初めて成立するもの。つまり、言葉数の多さやトーク力だけで測れるものではないのです。周りが飽きているのにもかかわらずマシンガントークを繰り広げる人は、コミュニケーション能力が高いとはいえないですよね?

内向型はその鋭い観察眼で相手を見つめ、じっくり話に耳を傾けて理解しようと努め、深く考えてから言葉を発します。むしろ、「内向型のほうがコミュニケーション能力は高い」という意見も少なくありません。

「内向型の特徴そのものは、対人関係と直接的な因果関係がない」ということに、お気づきいただけたのではないでしょうか。もちろん、内向型のなかには内気な人も、人見知りの人も、コミュニケーションが苦手な人もいます。でも、それは内向型の特性から派生する「傾向のひとつ」に過ぎません(「内に向かう」という漢字のせいか、ネガティブなイメージで語られるのを耳にするたび、内向型の私はとても複雑な気持ちになります)。

内向型だからといって、偏った先入観で自分のキャラクターを決めつけないでください。言葉のイメージに引っ張られず、フラットに自分と向き合っていきましょう。

提供元・ZUU online library

 

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