モトリーフール米国本社、2020年11月25日投稿記事より

ほとんどの投資家は、新規投資先を探す際に時価総額100億ドル以上の大型株のみを検討し、アップル、フェイスブック、バークシャー・ハサウェイ、エクソンモービルといった知名度の高い銘柄ばかりに目が行きがちです。

大型株には優れた点が多くありますが、時価総額3億~20億ドルの小型株にも目を向けるべきです。

適切な状況下であれば、規模が小さいがゆえに大型株よりも成長の余地が大きく、大型株をアウトパフォームする可能性が高いからです。

リターン最大化の可能性

小型株に投資をする最大の理由は、極めて大きなリターンを得られる可能性が大型株よりも高いことです。

たとえば、10億ドルの企業が100億ドルの企業になる方が、1,000億ドルの企業が1兆ドルの企業になるよりもはるかに容易です。

実際、アマゾンやネットフリックスといった世界最大級の企業もかつては小型株でした。

まだ小型株の頃にこれらの銘柄に投資をしていれば、その価値は最初の投資額の100倍以上になっていることでしょう。

小型株は成長率が高い傾向にあります。

繰り返しになりますが、小企業が売上を倍増させるのは比較的容易であり、一方、成熟企業の売上増加は緩やかになる傾向があります。

しかし、小型株は収益力に欠ける企業である可能性が高く、大型株よりも景気後退、市場の暴落、その他のショックに対して脆弱です。

たとえば、2020年の新型コロナウイルスのパンデミックが米国を襲ったときの市場の暴落では、小型株の方が大型株よりも大きく下げています。

さらに、小型株を追いかける投資家やウォール街のアナリストの数が少ないため、決算発表などのニュースに対して株価の変動が大きくなりがちです。

小型株が大型株をアウトパフォームする可能性がある場合とは

ボラティリティが高いため、小型株は株価が急上昇する強気相場ではアウトパフォームする傾向にあります。

たとえば、小型株の値動きに追随するラッセル2000指数は、2020年3月18日に底値をつけて以降、より大型のS&P500指数をかなり大幅にアウトパフォームしています。

株価が暴落した際のS&P500指数の下落率は35%であったのに対し、ラッセル2000指数の下落率は43%であったため、年初来ではまだラッセル2000がS&P500指数に後れをとっていることには注意が必要です。

明らかに小型株のボラティリティは両方向に作用します。

同様に、金融危機後の強気相場の最盛期にも、ラッセル2000指数はS&P500指数を大幅にアウトパフォームしています。

実際、ラッセル2000指数は金融危機後の10年間のほとんどでS&P500指数に対してアウトパフォームしています

規模の小さい企業はまた、事業拡大のための借り入れ、または状況が厳しい時に事業を維持するための借り入れが容易になることから、低金利などの金融緩和策の恩恵も受けます。

同様に、これらの企業は個人消費や市場のセンチメントに敏感なため、財政刺激策も小型株にとって有益です。

平均すれば、米国経済が回復基調にあるときは小型株に有利です。

景気回復期は失業率が急速に低下し、企業利益に力強い成長が見られるため、小型株投資をする絶好の機会です。

もちろん、小型株が常にアウトパフォームするわけではありません。

これらの株は株価がより大きく上昇する可能性があると同時に、利益を上げられる可能性が低く、倒産に追い込まれ易いため、かなりの株価下落リスクを抱えています。

このため、小型株はいわゆる優良株と比べるとリスクが高くなりますが、リスクとともに潜在的なリターンも大きくなります。

賢明な投資を

投資に絶対的なルールはありません。

歴史的にみて小型株は大型株に対しアウトパフォームしてきましたが、だからといって、ポートフォリオの内容をすべて小型株にすべきだというわけではありません。

いつものように異なった種類の株でバランスを取ることが重要です。

また、分散を容易にするために、インデックスファンドやミューチュアルファンドを検討することもできます。

時価総額だけではなく、クオリティも重要です。

クオリティの高い大型株の方がクオリティの低い小型株よりもはるかに優れています。

それでも、小型株全般へのエクスポージャーを増やすことは、リターンを増やすうえで実績のある正しい方法です。

もし強気相場の初期の段階で最も良い小型株を数銘柄購入できれば、その後数年間、そして長きにわたって、市場をアウトパフォームできる可能性が高くなります。

提供元・The Motley Fool Japan

 

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