株式市場は割高な水準にある
考慮すべきもう一つの問題として、足元の株式市場は極めて割高な水準にあります。
シラーPER(過去10年間のインフレ調整後平均1株当たり利益に基づく株価収益率)で見ると、S&P500指数のシラーPERは過去150年の平均16.8倍に対し、11月20日時点で32.43倍となっています。
シラーPERはこの25年間にわたって高水準を維持していますが、インターネットによる情報アクセスの劇的な改善や、歴史的低水準の貸出金利により高成長企業は資金調達がしやすくなっているなど、株価上昇の条件が整っていることも影響しています。
一方で、パンデミックにより米国や世界の成長見通しはあと1年ほど逆風が続くとみられます。
米国経済を支える金融株は金利の低下と債務不履行の増加が重石となり、小売業界やサービス業界でも厳しい試練が予想されます。
ハイテク株は特に割高で、世の中が正常に戻るにつれて売り上げの伸びが減速し、膨らんだ期待値が若干萎む可能性もあります。
バリュー株にシフトすることを選んだとしても、相対的に成長率が低いためこれほど高いバリュエーションを支えることはできません。
いずれにしても、株式市場の暴落は不可避と考えておくのが良いかもしれません。
文・モトリーフール編集部/提供元・The Motley Fool Japan
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