今や、多くの人がプロテインを摂取している。プロテイン市場は300億円を超えており、年々右肩上がりで成長中。なぜプロテインを摂取することが重要なのだろうか。その効果や飲むタイミング、適量を解説する。

そもそもプロテインとは何か?

プロテインとは、そもそも何なのだろうか。

プロテインは直訳すると、「タンパク質」であり、古代ギリシャで「最も大切なもの」という意味の「プロテイオス」が語源と言われている。

人間の身体は、タンパク質と水分で構成されている。筋肉だけでなく、内臓や骨、髪の毛や爪もすべてタンパク質でできており、不足すると身体の様々な部分に異常をきたす。

なぜ、プロテインを飲むことが重要なのか

まず、プロテインを飲む理由を端的に言えば、「タンパク質の補給」である。

私たちの身体を構成しているものは、主に三大栄養素とよばれる「タンパク質」「脂質」「炭水化物」だ。タンパク質は血液や筋肉、酵素など、様々なものを作るのに使われる。タンパク質を摂らないと筋肉や血液が作られず、身体組織を保つことができない。トレーニングをする場合はなおさらだ。

食事で十分なタンパク質を摂ることができれば問題ないのだが、それには限界があるという場合が多い。そこで、効率的にタンパク質を補給するために、プロテインを使うのだ。

プロテインにはどういった種類がある?

プロテインは、大きく分けると以下の3つに分類できる。

ホエイプロテイン 水に溶けやすく身体への吸収が早い

ホエイプロテインは、牛乳を原料としたプロテインだ。牛乳から、カゼインや乳脂肪分といった成分を除去することで作られる。特徴は以下のとおりだ。

  • 低カロリー
  • 栄養が凝縮している
  • 水に溶けやすい
  • 吸収が早い

    市販のプロテインのほとんどはホエイプロテインであり、トレーニング直後などに適している。

カゼインプロテイン 水に溶けにくく、ゆっくり吸収される

カゼインプロテインも、牛乳を原料としている。ホエイプロテインと異なるのは、カゼインプロテインは水に溶けないことだ。

そのため、身体にゆっくり吸収されていく。就寝前などにプロテインを摂る場合は、カゼインプロテインが適している。

ソイプロテイン 腹持ちがよくダイエットに最適

ソイプロテインは、大豆から作られるプロテインだ。こちらも水に溶けにくく、ゆっくり吸収される。そのため腹持ちがよく、ダイエットに最も適している。

プロテインの摂取目安量は? トレーニーは除脂肪体重1kgあたり2gのタンパク質が必要

では、どれくらいの量のプロテインを摂ればいいのだろうか。厚生労働省によると、1日に体重1㎏あたり最低0.65gのタンパク質が必要だという。体重70㎏だと、1日最低45.5gのタンパク質を摂らなければならない。

しかし、これはあくまでも最低基準であり、正確に言えば除脂肪体重1㎏あたり1g、トレーニングをする場合は1.5~2gのタンパク質が必要と言われている。除脂肪体重とは、体重-脂肪のこと。体重70㎏で体脂肪率20%の場合、除脂肪体重は56kg。1日56~112gのタンパク質を摂るのが理想とされているということだ。

しかし、この量のタンパク質を食事だけで摂るのはかなりハードルが高いだろう。たとえばタンパク質を100g摂取しようとすると、鶏もも肉だと約530g、牛もも肉でも同量を食べる必要がある。卵だと16~17個だ。

したがって、足りない分をプロテインで補う必要がある。たとえば、食事から摂れるタンパク質が50gなら、残りの50gをプロテインで補うといいだろう。

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プロテインを飲むタイミングは?

プロテインを飲むタイミングは、いつがいいのだろうか。主なタイミングは以下の3つだ。

トレーニング後

1つ目は、トレーニングの後だ。トレーニングによって筋線維は傷つき、その筋線維の修復にタンパク質が必要とされている。また運動後は大量にエネルギーを消費しており、栄養素の吸収率が高い状態であるともされている。これらのことから、筋トレの後、30分以内にプロテインを摂取するのが適切と言われているようだ。

就寝前

2つ目は、就寝前だ。睡眠中は、多くの成長ホルモンが分泌されている。特に、就寝後30分~3時間は、成長ホルモン分泌のピークと言われている。就寝前にプロテインを摂取していれば、この成長ホルモンの分泌ピークに合わせて、タンパク質を吸収できる。寝る直前だと、胃腸に負担がかかるため、寝る30分~1時間前くらいに摂取するといいだろう。また、寝る前に飲むプロテインは、吸収がゆっくりなカゼインプロテインの方が適しているとも言われている。

起床直後

3つ目は、朝起きた直後だ。起床直後は体の中の水分や栄養素などが枯渇している、一種の飢餓状態にあるため、その状態でプロテインを摂取すると効率的な身体づくりに役立つ可能性が高い。

トレーニングの強度によってはトレーニング前に摂取する人もいるが、初心者ならば上記の3つのタイミングで問題ないだろう。

1日複数回にわたってプロテインを摂取し、身体をカタボリックにしないことも重要だ。カタボリックというのは、「筋肉が分解されやすい=タンパク質が分解されてできるアミノ酸が血中に不足している」状態のことだ。一方で「筋肉が合成・同化されやすい=アミノ酸が血中に充分ある」状態をアナボリックと呼び、身体作りにはこれを維持することが重要になる。

カタボリック状態になると、身体はまず筋肉を分解してエネルギーに変える。トレーニングの後だけでなく、就寝時や朝はプロテインを積極的に摂取して、素早くタンパク質を吸収し、筋肉の分解を防ぎたい。

プロテインを飲む際の注意点とは?

トレーニーには欠かせないプロテインだが、飲む際に注意しておきたいことがある。

注意点1,過剰摂取

プロテインを過剰摂取しても、そのすべてが吸収されて筋肉に変わるわけではない。カロリーオーバーで、太る原因になることもある。またタンパク質の合成・分解は内臓に負担がかかるので、お腹の調子が悪くなってしまうおそれもある。

注意点2,安全性

安全性の高い商品を選びたい。日本に正規でないルートで入ってくる海外のプロテインに、プロテイン以外の混入物が入っていたケースもある。安全基準を超えた金属が入っていた事例もあるため、国内で安全が確保された商品を選ぶようにしたい。

プロテインに対する、よくある3つの誤解

プロテインの効果は、誤解されているケースも少なくない。よくある誤解を紹介しよう。

誤解1,プロテインを飲むと太る?

結論から言うと、プロテインを摂ることと太ることには相関はない。

プロテインはタンパク質なので、カロリーはある。摂取カロリーが消費カロリーより多ければ、もちろん太る。しかし、プロテインそのものは特別カロリーが高いわけではない。

太ってしまった人は、プロテインが原因ではなく、プロテインを含めた摂取エネルギーが多いことが原因だろう。プロテインをやめるのではなく、摂取エネルギー全体を見直すべきだ。

誤解2,プロテインを飲むと筋肉質になる?

「プロテインを飲むと筋肉質になる」という誤解も多い。前述のとおりプロテインはただのタンパク質なので、飲んだだけで筋肉になることはない。

筋肉は、トレーニングと栄養と休息のすべてがそろってはじめて肥大する。したがって、プロテインを摂れば即、筋肉質になるということはない。逆に言えば、プロテインを摂ってもトレーニングをしなければ筋肉はつかない。

誤解3,トレーニングをしない場合プロテインは不要?

プロテインは、トレーニングを行う人のためのサプリだと思われがちだが、これも誤りだ。

タンパク質は、トレーニングをしない人でも1日50g以上を摂取することが望ましいと言われている。これを食事だけで摂ることが難しい場合は、プロテインで補うといいだろう。

効率良くプロテインを摂って、理想の身体に近づけよう

特にトレーニングをする場合、プロテインは食事だけで摂取するのが難しいタンパク質を効率的に摂取するのに有効だ。トレーニング後、起床後、就寝前と分けて摂ることで、筋肉の分解を防ぐこともできるとされている。

ただし飲みすぎると胃腸の調子を崩したり、肌荒れになったりすることもあるので注意が必要。また、あくまでプロテインを摂取するのはあくまで栄養補助のためなので、バランスの良い食事を3食摂取することは忘れないように気を付けたい。

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文・MONEY TIMES編集部
 

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