そして今回4日のメディアブリーフィングで、小林氏が「こちらからの説明不足により、今季のレフェリングやピッチ上の改革について、みなさんに誤解を与える表現があった。おわび申し上げます」と改めて指針を示し謝罪している。
小林氏は、世界水準と魅力的なエンターテインメントを目指していくとし、「そのためにボディーコンタクトを許容する。もう1つがAPTを伸ばす」と強調。レフェリング面の改革を達成するために「判定基準を上げる」「適切なアドバンテージを取る」「素早いリスタートを促し試合を過剰に止めない」と3つの改革点を挙げた。
特に問題とされていた「判定基準を上げる」点について小林氏は、レッドカード、イエローカードの基準はこれまでと変わらないと強調した上で、「昨年までのレフェリングの標準だと『確かに接触があるが、それは取らなくてもよくないですか』っていったものが私の現役時代の経験も含めて多々ありました。そういったものは流してプレーを続けさせましょう。それがいわゆる『判定の標準を上げる』という言葉の意味です」と説明した。

小林氏の役割と違和感
判定基準の説明については、現役時代、DFならばサイドバックとセンターバック、加えてボランチもこなすポリバレントさを武器に柏レイソル(2004-2010)、横浜F・マリノス(2011-2016)、サガン鳥栖(2017-2020)と渡り歩き、J通算523試合出場の記録を持つ小林氏ならではの視点ともいえる。
2021年、当時関東1部リーグのCriacao Shinjuku(クリアソン新宿)で引退し、鳥栖のスポーツダイレクターを務めた後、昨2024年10月からJリーグフットボール本部で「企画戦略ダイレクター」に就任した小林氏。鳥栖との契約満了後に「サッカー界から離れるつもりだった」と語っていたものの、“人間万事塞翁が馬”ともいうべきか、日本サッカー界の保守本流を行くような役職を与えられ、Jリーグの普及に奔走している。