しかし、「価格上昇分」といっても、どのような指標を基に算出するのかが明確ではありません。売電価格に反映させる以上、その上昇分については、事業者にも消費者にも納得されるよう、正確かつ透明性のある統一的な計算ルールが求められますが、それを整備するのは容易ではありません。
2025年2月三菱商事の社長から「ゼロベースでの見直し」発言が出ます。撤退という言葉は使っていませんが、全個所撤退の可能性もあります。
2025年3月に経産省は第1ラウンド落札者(=三菱チーム)のFITからFIPへの変更を認めるというルール変更をしました。何とか三菱チームに撤退しないで踏みとどまってもらいたいのでしょう。
しかし、これはFIPの基準価格を14円/KWhとすることになるので、市場価格が14円/KWhを下回る期間が続けば補助金(プレミアム)が発生します。第2、第3ラウンドの落札者は、市場価格がいくら下がっても補助金はありません。
また、FITの場合、系統会社に定額で買い取ってもらうことしかできませんが、FIPの場合、コーポレートPPAとして、希望する企業や自治体に再生可能電力として直接売電することもできます。脱炭素を売り物にしたい企業に、高く売れるかもしれません(コーポレートPPAは第2、第3ラウンドの会社も同じように売電は可能)。
ついに不公平感が爆発して業界団体は経産省に懸念を伝達する事態になりました。これについては、あわてて4月4日に風力発電協会から、懸念などは表明していないと火消しに追われることになりました。どうやら経産省ににらまれるのは避けたいようです。
風力発電はもう限界なのでは?
太陽の位置に左右されず、深夜でも発電できるという点で、一時は風力発電に大きな期待が集まりましたが、思ったほど出力は一定ではありませんし、騒音の問題、バードストライク問題、ひいては、風車の周辺は地面が乾燥してしまう、といった問題まで報告されています。