物理学者たちは常に、理論の予測が複雑な要素の絡む現実で試しても通用するかどうかに興味を持っています。

そこが理論物理学者と実験物理学者の違いでもあり、物理学は理論と実験の2つの結果が一致して初めて事実と認められます。

コイントスは現実では様々な人達が様々な種類のコインを使って行うものであり、投げ方のクセやコインの形状によってバラつきが生まれます。

その上で現実でどのような結果が見られるのかを、非常に多くのデータを取って検証することは、一見バカバカしいように見えても重要な実験と言えるでしょう。

次回私たちが参加するコイントスに偏りがあるかどうかは、誰にも分かりません。しかしどうしても負けたくない勝負では、今回の報告を気に留めておく価値はあるかもしれません。

今後は、ぜひ弾かれる前のコインに注目してみてください。

【編集注 2023.10.13 12:50】
記事に加筆修正を行いました。

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参考文献

Coin Tosses Are Not 50/50: Scientists Toss 350,757 Coins And Prove Old Theory
https://www.iflscience.com/coin-tosses-are-not-5050-scientists-toss-350757-coins-and-prove-old-theory-71047

Flipped coins found not to be as fair as thought
https://phys.org/news/2023-10-flipped-coins-fair-thought.html

元論文

Fair coins tend to land on the same side they started: Evidence from 350,757 flips
https://arxiv.org/abs/2310.04153

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。