船橋市といえばスズキの産地としても有名ですが、近年はスズキを含む東京湾の漁獲量が減少。そのため、スズキの産卵期である冬場を禁漁とし、安定して獲れるコノシロを漁獲する漁業者もいるようです。

また、船橋市の中型まき網漁業ではスズキだけでなく、コノシロについても自主的な資源管理が行われています。コノシロの産卵・育成場である湾奥での漁獲の自粛のほか、抱卵・産卵期のコノシロの漁獲を可能な限り自粛しています。

漁協がコノシロをPR

一方、小骨が多く、成長すると骨が固くなることなどの理由からコノシロが食用として認知されておらず、ほんとどが魚のエサとして利用されているようです。

また、単価も低く、コハダの10分の1程度にとどまっています。

船橋市では、地元の水産会社がコノシロの消費量増加に取り組んでおり、2023年にはコノシロを高温圧力で調理した「コノシロやわらか煮」を開発。また、市内の小学校7校でコノシロを使ったメニューが給食に登場したほか、今年1月10日には船橋市の中学校で「コノシロのすり身揚げ」が提供されました。

ほかにも、船橋市は漁協と連携してコノシロのフライやつみれも開発しています。

コノシロ消費で漁師の収入増に期待

食用としてほとんど流通していなかったコノシロですが、船橋市や漁協、地元企業の活動により徐々に利用が広がっているといいます。

今後、コノシロの消費が拡大することにより、船橋市で漁を行う漁師の収入増加が期待できるかもしれません。加えて、引き続き適切な資源管理が望まれます。

<サカナト編集部>