しかし、同社は今も資金繰りに問題を抱える中、最大手にもかかわらず中国中鉄などという中共支配の怪しげな二流ゼネコンとJVを組むしかなかったのではないか、と筆者は推測しているのだが、中国企業はこういう時にチャンスとばかりに入り込んでくるのである。
中国の”おから工事”
タイ反汚職組織のマナ・ニミットモンコン会長は3月30日、(施主である)タイ政府は工事遅延を理由に、このままだとプロジェクトを中止することになると、2024年に警告していたと述べた。
また、建設現場を同組織が視察した際、工事遅延と労働者不足は明らかで、手抜き工事の懸念が既に浮上していたとも述べた。
「現場の建設労働者数が本来の数よりはるかに少なく、それが遅延の原因となったとみられるが、ゼネコンがプロジェクトを急いで完成させようとした結果、手抜き工事を招いた可能性がある」
The Straits Times
この報道の通り、工事現場の作業員が全然足りていなかったということは、ITDは今も資金繰りに窮していて、一方ではタイ政府から大きなプロジェクトの契約を破棄されるなどという大問題に直面した結果、切羽詰まっていたのかもしれない。
そこでとうとう中国中鉄の悪魔のささやきに抵抗しきれず、中国国内でも大問題になっている手抜き工事、別名「おから工事」に組してしまったのかもしれない、と筆者は思うのである。
ところで、実は本件以外にもタイにほとんどお金を落とさない中国人団体ツアーの「ゼロダラーツアー」や、違法民泊として日本でも一時問題になっていたが、タイでも一切税金を払わず、違法と知りながら中国人観光客に平気でホテルとしてコンドミニアムを貸す中国人個人投資家、そしてタイ政府が始めた60日間のビザフリー制度を悪用し、続々とタイに入り込んでくる中国人犯罪者集団や違法労働者の問題等、とにかくタイ政府は今、このろくでもない中国人たちに頭を悩ませられているのである。