ヴァル・キルマー Denis Makarenko / Shutterstock.com
ハリウッドの名優ヴァル・キルマーが、2025年4月1日、肺炎のためロサンゼルスで亡くなった。65歳だった。娘のメルセデス・キルマーがニューヨーク・タイムズに訃報を伝えた。
キルマーは2014年に喉頭がんを患い、長年にわたって闘病生活を送っていた。がんの治療の一環として2度の気管切開手術を受け、声を失っていた。2021年にがんは寛解したと報じられたが、その後も体調はすぐれず、晩年はほとんど寝たきりの状態だったという。
『トップガン』『バットマン』など数々の名作に出演
ヴァル・キルマーは1984年のスパイ・コメディ映画『トップ・シークレット』で映画デビュー。1986年の『トップガン』では、トム・クルーズ演じるマーヴェリックのライバル「アイスマン」役で世界的な人気を得た。その後も『ザ・ドアーズ』(1991年)、『トゥームストーン』(1993年)、『ヒート』(1995年)、『バットマン フォーエヴァー』(1995年)などで主役級を演じた。
1995年の『バットマン フォーエヴァー』ではブルース・ウェイン/バットマンを演じたが、撮影現場では監督ジョエル・シュマッカーと衝突が絶えず、続編には出演しなかった。
キルマーは声を失った後も俳優としての活動を続け、2022年の映画『トップガン マーヴェリック』ではAI技術を用いてアイスマン役を再演した。このシーンは多くのファンに感動を与え、彼の俳優魂を再認識させるものとなった。
ハリウッドからの追悼の声
彼の死去を受けて、ハリウッドの仲間たちが次々と追悼のコメントを発表した。
ジム・キャリーは『バットマン フォーエヴァー』で共演した縁から、「彼の演技と人生に対する勇気に敬意を表する」と語った。
俳優ジョシュ・ブローリンは「知的で、挑戦的で、創造力あふれる才能の持ち主だった。もうこういう人物は少ない」とInstagramで惜しんだ。