相模湾のタチウオの群れは、そんなに大きな塊ではないので、一度見つけた群れを、終日追いかけて攻め続けていくことになる。したがって、時間の経過とともに魚がスレやすくなるという特徴がある。

そこで、できるだけスレさせないように、ジグのタイプを替える、アクションを変える、カラーを替える、ロッドの使い分けやリールのギア比……と、試行錯誤をしながらアプローチしていく。これこそが、タチウオゲームが面白いと言われる所以なのかもしれない。
ヒットパターンを見つけた
この日、キーポイントとなったのは、アクションとロッドの使い分け。
後半、ジグを飛ばして激しくアクションさせてしまうとまったく反応がなく、スーッと落ちるフォール時と、ただ巻きで誘い上げる時にタチウオがアタってきた。
フォール中にアタリが集中する時は、張りのあるロッドに、ただ巻き時に集中するときは、乗せ重視の軟らかいロッドに変更。

どうしてこのヒットパターンにたどり着けたかというと、釣り上げたタチウオが吐き出したベイトフィッシュに大きなヒントがあった。勝手なイメージで、もっと大きなエサを食べるものだとばかり思っていたが、5cmほどの小さな魚も捕食するのだと分かり、小魚を演出するように、波動を抑えたアクションでのアプローチが奏功。

このエサのヒントがなかったら、後半はかなり苦労する時間帯だったと思う。
<週刊つりニュース関東版 野呂昌明/TSURINEWS編>