アマゾンが、『ジェームズ・ボンド』シリーズの次回作において、大胆な方向転換を計画していることが明らかとなった。新作では、史上最年少となる20代の俳優を起用し、舞台は1950~60年代のクラシックな時代設定になる見込みだ。

2025年初頭、アマゾンはシリーズの創作的な権限を取得し、バーバラ・ブロッコリ氏とマイケル・G・ウィルソン氏から約7億7千万ポンドでフランチャイズを買収した。その後、これまでとは異なるアプローチを模索しているとされる。

The Sunが内部関係者の証言として伝えたところによれば、アマゾンは、シリーズ最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)で主人公ジェームズ・ボンドが命を落としたという衝撃的な展開を受け、その“死”を無視することはできないと判断。これを機に、「プリブート(Preboot)」(前日譚的な新シリーズの始動)という形式でボンドの若かりし頃に焦点を当てた新シリーズを展開するという。

また長年シリーズを支えてきたバーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンは、過去23年間でわずか5作品を制作し、創作的に「限界を感じていた」との証言もある。そのため、今回のアマゾンによる刷新は、シリーズに新たな命を吹き込む狙いがある。

 

ボンドの“本質”は変えず

次回作の舞台は、原作者イアン・フレミングが活躍していた1950〜60年代の英国。クラシックカーやレトロなスパイガジェットなど、当時の雰囲気を再現するとのことで、ファンにとっては原点回帰の魅力が期待される。

一方、近年「ジェンダー変更」や「国籍の見直し」など、多様性に関する議論がハリウッドを中心に高まっていたが、アマゾンはボンドの本質を守る姿勢を取っている。流出した社内メモによれば、「ボンドは引き続き男性であり、イギリスまたは英連邦出身である」と明言された。

この発表により、一部ファンの間で広がっていた「アマゾンによってボンドが“改変”されるのではないか」との懸念は払拭された形だ。