ザイリー・ウィンザー
2025年3月30日に全米で放送された「アメリカン・アイドル」シーズン23の最新エピソードで、18歳の若きシンガーソングライター、ザイリー・ウィンザーが強烈な印象を残した。
アリゾナ州サフォード出身のザイリーは、自身が14歳のときに作詞・作曲したオリジナル楽曲「The Used」を披露。アコースティックギターを手にした彼女は、しっとりとしたイントロから入り、徐々に感情を込めて歌声を大きく開いていった。そのパフォーマンスには、素朴さと切なさ、そして抑えきれない情熱が同居しており、聴く者の心を揺さぶる力を持っていた。
ザイリーの外見もまた、観る者を惹きつけた。明るいブロンドの髪に、印象的な前髪を垂らしたスタイルは、テイラー・スウィフトの「Red」時代を彷彿とさせる。清潔感のあるルックスと素朴な雰囲気は、見る者に親しみやすさと同時にスター性を感じさせる。
そして特に評価されたのが彼女の声のコントロール力だ。審査員のキャリー・アンダーウッドは「声を小さく、集中したトーンから始めて、そこからまるで空を舞うように大きく広げていく。そこがとても印象的だった」と称賛。さらに、彼女の歌詞に込められた繊細な心情表現にも注目し、「たった14歳でこれだけの物語性と感情を持った曲が書けるのは、確かなアーティスト性の証拠」と語った。
ザイリー・ウィンザー オリジナル曲「The Used」 – アメリカン・アイドル 2025
楽曲「The Used」は失恋をテーマにしているが、単に悲しみを描くだけではなく、「失った相手のいない自分とは何者なのか」を模索する過程を繊細に表現している。その深みのある視点と詩的な表現力は、審査員ライオネル・リッチーも「その年齢でこれを書いたとは信じられない」と驚きを隠さなかった。
一方、審査員のルーク・ブライアンは楽曲の成熟度にやや懐疑的で、「まだ完全に準備が整っているとは言えない」としつつも、「キャリーが彼女に本気で賭けているなら、何かあるのかもしれない」と興味を示した。