早春のデカイカを求めて、3月1日に三重県志摩市片田の遊漁船に単独釣行した。風邪と荒天で釣りを断念していた日々を取り戻すかのように、伊勢湾へと出船。複雑な潮と沈黙を乗り越え、ようやく手にした良型アオリに、春イカシーズンの幕開けを実感した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤明洋)
志摩沖でキャスティングエギング
荒天と風邪引きで釣行できない日々が続いただけに、朝から異常にテンションは高い。予報では風は弱くティップランには不向きだが、浅場のキャスティングには絶好の日和に期待は膨らんだ。
待合所で常連の牟田さんが早々に顔を見せ、「昨日からの志摩半島への黒潮接岸で今日は厳しいよ」と話していた。「前日のタイラバでもマダイ1匹と厳しい釣果だったけどアオリイカへの影響は分からないよ」と船長の声を、ポジティブに受け止めた。
釣行開始
予約順で私はミヨシを選択。牟田さんは大ドモ。隣は岐阜の2人組、胴は大阪のアングラーが続いた。出船は午前6時。ポイントへは約30分で到着。潮は効いており、船は1.5ノット程度で流れていた。「水深35mからです。準備できた人から始めてください」と声がかかった。
私はダートマックスのダークグリーンアジレッドで開始。前方へ払い出していくが、二枚潮なのか潮が複雑でエギが安定しない。誰1人アタリはないまま、刻一刻と時間は経過していった。
お助けリグに変更
「複雑な潮やバーチカル状態のときはお助けリグだよ」船長の声がかかった。しかし、素直じゃない性格が「もう少し粘ってみるべし」とささやくので、アドバイスを無視してティップランを継続。

すると8時ごろ、胴のアングラーがヒット。それも2kgは軽く超えた良型だ。仕掛けはお助けリグだった。
こんなにデカイやつがいるんだと思った瞬間、無情にもフックオフ。きつく締めすぎたドラグを悔やむ大阪アングラーを尻目に、私は恥も外聞もなくお助けリグにチェンジした。しかしリグ交換も空しく、刻一刻と時間は経過していった。