エグゼクティブタイムが政権運営にどのような効果をもたらしたか不明だが、当時大統領報道官だったサラ・ハッカビー・サンダース氏は、「よりクリエイティブな環境」が、トランプ氏を「近代史上最も生産性の高い大統領にするのに役立っている」と擁護していた。

トランプ氏のスタイルが、細かいスケジュール管理に適さない可能性もある。ある高官は、トランプ氏の会議の多くが「とっさの思いつき」だったと明かした。また、リークされる恐れから、ホワイトハウスのスタッフに知られたくないミーティングを、エグゼクティブタイムの中に潜り込ませることもあったという。

トランプ氏のこうした仕事に対する姿勢は、大統領職に限ったことではない。不動産事業で絶頂を迎えた80年代に出版した自伝『The Art of the Deal』では、「多くの人々が私の仕事の仕方を見て驚く。私は非常に緩やかにしている。ブリーフケースを持ち歩かない。会議をあまり多く入れないようにしている」と説明。「組織化」しすぎると、「想像力や起業家精神を発揮できない。毎日出勤して、その日何が起こるかを見るのが好きだ」と理由を挙げた。

早起きで夜更かし気味の習慣も変わらない。毎朝6時に起きて、1時間ほど新聞を読んでから9時にオフィスに到着。オフィスでは50件、ときには100件を超える電話をかけ、その合間に「突発的」に発生する会議をこなし、家に帰ってからも深夜まで電話をかけ続けることがあると語っている。