オモリを底から50cmから1mほど上げて待つわけだが、船が流れると水深も微妙に変化するため、こまめに底を取り直さないといつの間にか底から数mも上がっていたりオモリが底を引きずっていたりする。いかに底から少し上にイワシをキープできるかがキモになる釣りだ。
開始から1時間が経過したころ、左舷ミヨシでヒットコール。見ると、少し長めのムーチングロッドが絞り込まれている。たたき方からして青物か……と思ったが、浮いてきたのは残念ながらドチザメ。船長は苦笑いしながら、ハリを外してリリースしていた。

極太寒ブリをキャッチ
この後はしばし沈黙の時間が流れる。どうやら上げいっぱいの潮止まりのようだ。やがて下げ潮が流れ始めると、再び左舷ミヨシのサオが大きく弧を描いた。何度もラインを出されており、なかなか魚が見えない。周りとオマツリはあったが、船長が手慣れたイトさばきであっという間にほどいていく。
やがて海面下にゆらっと青い影。ブリだ。一発でタモ入れが決まり、船上に横たわったのは7kgを超える極太ブリ。カタクチを飽食しているようで、見事な砲弾型の体型が印象的だった。

60cm超えの寒ビラメ手中
そして正午を迎えて残り1時間。ここから怒とうの連発劇が始まった。先ほどブリを上げたアングラーが仕留めたのは、驚くほど肉厚な寒ビラメ。長さは60cm弱だろうが、それ以上に迫力のある魚体だった。

さらに左舷トモでもサオが絞り込まれ、60cmを優に超える見事な寒ビラメがタモ入れされる。そしてドミノ倒しのように胴の間のアングラーもサオを曲げ、同サイズの寒ビラメを手にした。
