初夏に鳥取・氷ノ山の沢で岩魚釣りに出かけた際、メーカー試作のフィールドテスト用チェストハイウェーダーを着用していました。サイズが少し大きめでしたが、蒸れも少なく快適に遡行を続けていました。
しかし、30分ほど進んだ先に現れた小滝を安易に渡ろうとした結果、足を滑らせて深い淵にはまってしまいました。足がつかない状況で、脇から勢いよく流れ込む水がウェーダー内に入り、淵の底へ引き込まれて行きます。死の恐怖が頭をよぎりながら、肩ベルトを外し、岩にしがみついて何とか這い上がることができました。竿や餌箱は流されてしまいました。竿は淵で止まっていましが、餌は流されてしまいました。
反省と感想
この経験以降、静かに立ち込む釣り以外ではチェストハイウェーダーを使わなくなりました。特に深場や流れの強い渓流では、ウェーダーが命取りになりかねません。また、単独釣行の危険性を再認識した釣行でもありました。

雪で転倒し六針縫う怪我
早春、長野・阿智川へアマゴ釣りに出かけたときのこと。最終集落に車を停め、淡雪に覆われた川原を拾い釣りしながら遡行していました。
数匹のアマゴを釣り上げた後、大きめの玉石に飛び移ろうとした瞬間、フェルト底が凍りついていたせいで滑り落ちてしまいました。右手に持っていた竿だけは離さなかったものの、左手をつく余裕もなく顔から雪の上へダイブ。
額に強い衝撃を受け、飛び散る鮮血が目に入りました。痛む傷口をタオルで押さえ、そのまま数分倒れ込んでいると、やがて出血は治まりました。
この日は仲間3人での釣行でしたが、待ち合わせ時間まではそれぞれ単独行動。携帯電話のない時代で助けを呼ぶ手段もなく、傷の状況を確認する鏡すら持っていませんでした。ようやく車に戻り、ミラーを覗くと、額にはつぶれたような傷口。雪の中、もし脳しんとうでも起こしていたら……と考えると、背筋が寒くなりました。その後、飯田の病院で六針縫うことに。