ドジョウを使った郷土料理は日本各地に存在し、福岡県の「柳川鍋」、金沢の「どじょう蒲焼」、浅草の「どじょう鍋」は非常に有名。この他にも焼いたドジョウを粉にして使う宮城県の「ふすべ餅」、富山町の「どじょう寿司」が伝承されています。

また、各地で料理に用いられてきた種はドジョウが多いものの、岐阜県ではシマドジョウ属のアジメドジョウを食べる文化が古くから存在します。

古くは庶民の味として親しまれていたドジョウですが、現代では食べる機会も減り、ドジョウそのものの価格も高騰し気軽に食べられる魚ではなくなりました。

ドジョウを食べる機会が減ったワケ

日本の各地に生息するドジョウ。かつては身近な魚として広く食用になった訳ですが、現代の日本では細々と食文化が継承されているに過ぎません。

ドジョウを食す機会が減少している理由はいつくか考えられており、一つはドジョウそのものが減少していることが原因とも言われています。

環境の変化が影響

では、なぜドジョウが減少しているのでしょうか?

これはドジョウに限った話ではありませんが、限られた場所に生息する生物は環境変化による影響を強く受ける傾向があります。とりわけドジョウは生息場所である水田や水路そのものの減少、水田の整備による水田と水路の行き来が困難になったこと、越冬するために必要な湿った環境が失われたことなどが挙げられています。

ドジョウのようにかつて普通に見られていた生物たちが気づいたらいなくなっていたという現象は何度も繰り返しています。稀少な生物はもちろんのこと、こういった普通種が当たり前に見られる環境を保全することも必要なのではないでしょうか。

<サカナト編集部>