ということだ。かなり重要なところが省略されていて、「酸素を取り込むと身の色が赤くなる」という部分に、話の核がある。ここは次項に述べる。

しかし筆者もこのように書いていて気付いたのだが、魚の身の色は基本的に「白」と考えられているのだろうか?赤身の魚は、回遊しないわけにはいかないので必然的に赤身になるのだが……このあたりには、もう少し水産学の観点から、具体的な説明がほしい。まあ、古代は陸に上がって鳥になったヤツもいるというのだから、根本的に魚をひとくくりに考えることなどできないだろうが。

「タンパク質の色素」が影響する

なぜ回遊魚の身の色は、赤いのか?子ども向けの図鑑には「酸素をたくさん取り込むと身が赤くなる」とあるが、詳しいことを言えば、上述のようにもちろん理屈の通る説明がある。

血には「ヘモグロビン」という色素タンパク質が含まれる。この色が赤いのだ。たくさん酸素を取り込む、すなわち代謝がよく、生命活動上、必然的に多量の酸素を必要とするマグロなどの赤身魚は、ヘモグロビンを血の中にたくわえている。ちなみにこれを体内に貯蔵しておくと物質名は「ミオグロビン」となる。この貯蔵量が100g中10mgを超すと、赤身魚という類別になる。

鮭など別枠も

実はサバも赤身魚に分類されることをご存じだろうか?(といって、私も知らなかったのだけれど)

子ども向け図鑑を読んで【白身の魚と赤身の魚の違い】を学んでみた実は赤身のサバ(提供:TSURINEWSライター井上海生)

ヘモグロビン、ミオグロビン以外の要素で身が赤っぽくなる魚もいる。たとえば、鮭だ。市場に出回っている鮭はほとんど養殖だが、天然の鮭も含め、この魚の色が赤っぽいのは、食料として与えられるものがエビやカニなどと赤いからで、要するに「着色移り」みたいなものだ。

ちなみに専門学上は、マグロやカツオの動き方は「有酸素運動型」らしい。対して居着きの身の白い魚は、「無酸素運動型」。食べるときだけパッと動くので、それは有酸素運動にならない。私など運動習慣のない人間は、まさしく無酸素運動型ということで、だからこれくらい腹に脂がのっているわけだ……。