業務内容には、マスメディアを通じた効果的な広報の実施、非科学的な情報に対する対処が含まれているが、PR会社が主導する広報が、中立的な立場で、国民に情報を伝えたかを検証をしなければならない。業務内容には、記者勉強会、記者会見における関係資料の作成も含まれており、その資料を確認する必要がある。

今回のコロナ禍においては、国民はPR会社のメディア戦略に基づく情報をもとに、ワクチンを接種するべきか否かの判断を迫られた。公正な情報をもとに、納得してワクチンの接種を受けたかは疑問である。

接種後に死亡あるいは後遺症を発症しても、承諾書にサインして接種したのだから自己責任だという意見もあるが、自己責任とするには、十分なインフォームド・コンセントが前提である。

今回の検討で、子どもへのワクチン接種を決めるにあたっては、「大切な人を守るために」とテレビ報道が訴えたことが、大きな影響を与えたことが明らかになった。現在も在京テレビ局は、一律にワクチンに不利な情報を報道していない。

ワクチン後遺症について、筆者に取材を申し込んできたテレビ局関係者に聞くと、PR会社が企画した勉強会の成果によるのか、番組制作者の多くは、心底、厚労省の発表を信じているようである。少なくとも、メディアに属し、国民に医療情報を発信する立場にあるものは、一方的な情報のみでなく、対立する立場からの情報も入手し、公平に判断するリテラシーが必要である。