筆者がまだ小学生だったころの話。夏休みに家族で訪れた滝で捕まえたヤマメの幼魚を飼うことに挑戦したことがある。美しいパーマークに魅了され、家に持ち帰るが、適切な飼育環境を整えるのに一苦労した。今回は冷却やエサやりに奮闘しながら、野生のヤマメを飼育してみたときの自由研究の思い出を語ってみたいと思う。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・中山祐司)
自由研究は夏休みの川遊びから
小学生の頃、家族で五日市の檜原村にある払沢の滝に行った時のこと。滝壺の流れ出しで弟が沢蟹を捕まえようとしていたところ、体長5cmほどのヤマメの幼魚が網に入った。私たちが水遊びをして追いかけたので、ヤマメは石陰に隠れたものの、水流に負けてしまったようだ。
パーマークの美しさに感動
パーマークの美しい魚を初めて手にした瞬間で、図鑑で見た絵が現実になったことに大声を上げた記憶がある。両親の言葉を無視してでも家に持ち帰りたくて、ビニール袋に滝の水と一匹の魚を入れ、クーラーボックスの片隅に置いた。
金魚と同居
家までの3時間のドライブ中、ヤマメは元気に生きていた。当時、60cmの底面濾過の水槽が家にあり、琉金と和金が入っていた。ヤマメにとっては不適切な環境だと知りつつも、バケツにカルキ抜きを入れ、水道水を入れ続けてヤマメを徐々に適応させた。ビニール袋から解放されたヤマメは元気に泳ぎ出し、一安心だった。
エサを与えてみる
翌朝、金魚にエサを与えると、浮くペレットが水流に巻かれて底に回った。金魚は食事中だったが、ヤマメは無視。釣具屋からサシ虫を買って与えてみたが、金魚が先に食べてしまう。川虫を取る環境もなく、自分の無知と無力を痛感した。
ヤマメがペレットを食べた
3日目の朝、金魚のエサが水流に巻き込まれるとヤマメが食べ始めた。最適なエサとは思わなかったが、家中に知らせて回るほど嬉しかった。水替えをして水槽の鮮度を保つと、ヤマメは元気に泳ぎ回った。