まずは近所の鮮魚コーナーを覗きにいこう。いつもよく見る魚が毎度変わらぬ顔ぶれを並べているはずだ。これを写真に撮るか、メモするかしておく。そのあと、釣りに行ってみよう。前提として、鮮魚コーナーの魚を狙って釣ろうとするのではない。また専門的に狙おうとしても、よく知られるところではアジとサバ以外は絶対に釣れない。あくまで、出かけた先の海で、自然に釣りをしてみるとしよう。

自由研究の季節(夏)ならば、日中から魚を狙うことができる。足元にエサやルアーなどの仕掛けを落として釣ってみると、雑魚ならばクサフグやベラやハゼが簡単に釣れる。当たり魚種としては、カサゴやムラソイやメバルやタケノコメバルがくる。これが沿岸の魚種のリアルだ。ブリも舌平目もこない。

ともあれ、そうして意図して比較してみると、君たちは驚くばかりに「初対面の魚」ばかりと出会うことになるに違いない。そのひとつひとつを記録しておこう。

釣りをしながら自由研究のススメ:スーパーで売ってない魚を陸から釣ってみようはじめまして、カサゴです(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

研究時の注意点「魚の見分け」

またまた、はじめに種明かしをするようだが――実は、特に夏の日中、あるいは通年の夜釣りで釣れる沿岸の魚たちには、「根魚(ねざかな)」といわれるものが多い。カサゴ、メバル、ムラソイ、タケノコメバル、キジハタなど。これらの魚種は、海の底につく魚で、自分の身を守るために、海底の色と似た体色・模様を持つ。つまり、魚種をまたいで、一様に似ている。そのため、正確な研究のために見ていくには、「見分け」も肝心だ。

釣りをしながら自由研究のススメ:スーパーで売ってない魚を陸から釣ってみようタケノコメバルかな?ソイかな?(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

ともかく魚が釣れたら、逃がしてあげる前に、何枚も写真を撮っておいて、あとで類別しよう。もちろん、近くにいる人に、「この魚は何ですか?」と聞いてみるといい。そんな人々とのふれあいもまた、海釣りの重要なフィールドワークである。大人たちに見守られつつ、少年諸君が安全に、かつ実りある自由研究に取り組むことを願う。