サンフレッチェ広島は、7月に海外移籍したFW大橋祐紀(イングランド2部/ブラックバーン・ローヴァーズ)の11ゴールを筆頭に、今2024シーズンのJ1で最も攻撃的なチームである。現在は4連勝中で、今季最も調子の良い時期を迎えているのかもしれない。新本拠地(エディオンピースウイング広島)へ移転した勢いも助けとなり、2015年以来となる4度目のJ1制覇を狙えるか。

広島の最大の強みは、リーグ最多の46ゴールと得失点差プラス21を記録している圧倒的な攻撃力だ。大橋やMF川村拓夢(オーストリア1部/レッドブル・ザルツブルク)は抜けてしまったが、シーズン途中にMFトルガイ・アルスランや、3年ぶりにチームに復帰したMF川辺駿という経験豊富な選手を獲得。トルガイはデビューした第26節で早速2ゴールを挙げ4連勝に貢献した。

しかし、スケジュールは多忙を極めており、天皇杯とJリーグカップ、そして9月17日に開幕するAFCチャンピオンズリーグ(ACL)も控えている。年末にJ1のトロフィーを掲げるためには、複数のコンペティションをミヒャエル・スキッベ監督がうまくコントロールする必要がある。その手腕に注目したい。

ガンバ大阪のホーム パナソニックスタジアム吹田 写真:Getty Images

ガンバ大阪:4位(勝点46)

第21節で町田に敗れて以降、勝ち点18のうちわずか8ポイントしか獲得できていないガンバ大阪。現在のトップ5の中では最も成績が悪い。

しかし、G大阪の安定した守備陣は長いシーズンを見据えたうえでは絶対的なアドバンテージといえるだろう。第26節までの失点は38チーム中最も低い18にとどまっている。しかし問題は得点数で、28点とリーグ3番目の少なさである。特に第24節から3試合得点を奪えておらず、1敗2分けという結果になっており、FW陣の覚醒が求められている。