型がいいのはうれしいが釣るのが難しいと言われる釣り場の代表格が、茨城県龍ケ崎市にある中沼だろう。アベレージサイズが尺3寸前後で40cm超も顔を見せる。しかしそれは釣りがうまくハマった場合の話で、釣り方やエサが合わせられないと撃沈の憂き目に遭う。それでも足しげく通う常連が多いのは、この池なら腕自慢ができるからだろう。我こそはと思う太公望は、その腕っ節をぜひ披露されてみてはいかがだろうか。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)
中沼の概況
小貝川が氾濫した時にできたジャリ穴と言われ、かなり歴史のある沼。当時から大型が釣れる沼として有名で、古くから通う常連の話だと「昔は50cm超もまれに顔を出すほど大きいのがよく釣れたんだよ。でも今じゃ尺半がいいところだな」だそうだ。
要するに数釣り場ではないと想像がつくが、それでも日並みがいいと30~40枚、まれに50枚以上などという大釣りもあったりするようだが、それはかなり希な話。通常は一日竿を振ってツ抜けできれば合格点で、7月25日の取材時点では農薬散布の影響なのかいい人で4~5枚、大抵はオデコか1~2枚という日が続いているようだ。
「釣れない所を紹介してどうするんだ!」みたいなお叱りを受けそうだが、これは一時的なものらしく水環境が戻れば、再びエサを追い始めるだろうというのが常連の大方の見解だ。
ただし環境が復活しても釣るのは難しいのが正直なところ。型を見る程度なら永遠の初級者の記者でも可能だと感じるが、それ以上を釣ろうとするならある程度の腕が伴わないと難しい印象。
なぜなら中沼の魚は型がよすぎるから。アベレージサイズが尺2~3寸で40cmでも「まあまあかな」と常連に言われてしまうようでは簡単に釣れるはずもない。それなのに多くの釣り人に支持されるのは、ここが腕道場の役割を果たしているからではないだろうか。攻略できた時の達成感や竿頭を取った優越感とか、ヘラ釣り特有の競技性を楽しめるからではないだろうか。