新規感染者数は増加しているのかと質問したところ、コロナに感染しても無症状のこともあるし、検査を受けないことも多いので、新規感染者数を把握すること自体意味がないのではないかという意見であった。検出された変異株は、これまで流行していたJN.1の検出率が減少して、KP.3が39.8%、KP.2が16.1%に増加した。
韓国では、2023年8月からコロナ感染者の全数把握が終了して、220の医療機関での定点観測に移行した。最近のコロナによる入院患者数は、今年の2月の第1週がピークで、その後減少していたが、6月の第4週から再び増加している。6月の第4週が63人、7月第1週が91人、第2週が145人、第3週が225人と、4週前と比較すると3.5倍に増加した。
ワークショップに参加した台湾の医師からも、台湾におけるコロナ感染の最新情報を聞くことができた。台湾では、今年の5月からマスク着用の措置が緩和されたものの、マスクを着用している人は多いとのことであった。現在も、病院や交通機関内、さらに高齢者や免疫能が低下している患者ではマスクの着用が推奨されている。6月末から、患者数は増加しており、詳しい状況は台湾疾病予防管理センターのサイトでみることができるとのことであった。
図2には、2023年3月以降の台湾における新規感染者数を示す。今年の6月に入ると感染者数の増加が見られるようになり、月末にはピークに達した。新規感染者数は1日2万人ほどであったが、7月に入ってからは、減少している。年代別では30代の感染者数が最も多い。検出された変異株はJN.1が29%を占め、KP.3が26%、KP.2の17%が続く。
日本における現在の新規感染者数数は、昨年夏の流行に似ており、1日の新規患者数は12万人ほどである(図3)。日本の人口は台湾の6倍なので、現在の流行は、台湾のピーク時に匹敵する。