そこにはデコボコしたコブ状の突起などが見られ、左右の脚を擦り合わせることで何らかの音を出している可能性が高いようです。
こうした摩擦音器は音を通じた仲間同士のコミュニケーションに使われていると指摘されていますが、まだ摩擦音器を実際に使っていると断定されたタナイス目は存在しません。
そこでチームは今後、飼育繁殖の容易なランマを対象にして、本当にデコボコ突起のあるハサミを「摩擦音器」として使っているのかどうか、確かめる予定です。
新種のランマは現時点で、名古屋港水族館と研究室の水槽内という限られた環境でしか見つかっていない故郷知れずの種です。
チームは本種のDNA配列の解析を通じて、故郷を明らかにしたいとも考えています。
ちなみに『らんま1/2』は今年10月から完全新作アニメが放送されることが決まっています。
今回の新種発見がそのいい景気づけになったかもしれません。
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参考文献
水族館の水槽から新種のタナイス目甲殻類を発見~「らんま1/2」の早乙女乱馬(らんま)に因んで「ランマ」アプセウデスと命名~
https://www.hokudai.ac.jp/news/2024/07/12-4.html
元論文
Apseudes ranma sp. nov. (Tanaidacea: Apseudidae) found in a public aquarium, with notes on phylogeny and a presumptive stridulatory organ
https://doi.org/10.5343/bms.2024.0030
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。