2024明治安田J1リーグ第21節の全10試合が、6月29日と30日に各地で行われた。同リーグ18位の湘南ベルマーレは30日、本拠地レモンガススタジアム平塚で19位京都サンガと対戦。最終スコア0-1で敗れている。
今節の敗北により、同リーグ19位に転落した湘南。直近のリーグ戦6試合勝ちなしに加え、依然としてJ2リーグ降格圏内(18位から20位)に沈むなど、苦境に陥っている。
J1残留争いの大一番、京都戦を落とした原因は何か。ここではこの点について論評する。
湘南vs京都:試合展開
キックオフ直後から、互いにロングパスを多用。ボールが両軍の陣地を行き来する慌ただしい試合展開のなか、先取点を挙げたのは京都だった。
前半24分、京都が敵陣左サイドでボールを保持。DF三竿雄斗のクロスが湘南DFキム・ミンテにヘディングで跳ね返されたものの、こぼれ球を京都FWマルコ・トゥーリオが拾う。トゥーリオの浮き球パスに反応したFW原大智が湘南最終ラインの背後を突き、GKソン・ボムグンとの1対1を制した。
後半5分、湘南が敵陣右サイドから攻撃を仕掛けると、MF茨田陽生のクロスがペナルティエリア内でジャンプした京都FW一美和成の腕に当たる。これが一美によるハンドの反則と見なされ、湘南にPKが与えられたが、FW福田翔生のキックは京都GKク・ソンユンに防がれる。この試合最大のチャンスを逃した湘南の猛攻はその後も実らず、J1残留をかけた大一番で痛恨の黒星を喫している。
奏功しなかった湘南の布陣変更
両チームの基本布陣は、湘南が[3-4-1-2]で京都が[4-1-2-3]。京都の逆三角形の中盤に対し、湘南が正三角形の中盤を敷く。これにより各々のマッチアップをはっきりさせる戦法を採った。
湘南はルキアンと福田翔生の両FW(2トップ)を起点とするハイプレスを試みたものの、京都が最終ラインからのロングパスを多用したため、敵陣でなかなかボールを奪えず。また、かねてより採用してきた[3-1-4-2]から[3-4-1-2]に布陣を変え、中盤でボールを奪いやすい状況を整えたが、そもそも京都が中盤を経由しない攻めを繰り返したためこの構図も作れなかった。