「〇〇殺人事件」のようなワードの入った漫画や小説等の作品が、クレジットカードで買えなくなるかもしれない、と不穏な噂がTwitterで拡散している。この発信の主はある国会議員。彼によると、今月に入ってから大手クレジットカード会社から複数の出版社に対し、商品表題に特定の表現がある場合は扱えなくなるという通知が届いていると明かしている。成人誌の販売でクレジットカード決済がNGとされたのに続く新たな問題で、表現の自由を巡ってこの先波紋を呼ぶことになりそう。
今回巻き起こったクレジットカードと表現の自由の不穏な噂などについて追いたい。
ショッキングなタイトルワードだけで購入NG?
大手クレジットカード会社から複数の出版社に対して、「商品表題に特定の表現がある場合は扱えなくなる」という通知が届いた、と噂が巻き起こっているのは上述の通り。この通知が成立した場合、一体何が買えなくなるのだろうか。現在、具体例として挙げられているのは「○○殺人事件」などの漫画や小説で、どうやら「殺人」などのワードについて、大手クレジットカード会社が難色を示しているよう。
仮に、これが成立してしまうと新規作品はもとより、過去作品もお蔵入りしたり、改題を迫られる可能性があるかもしれない。同議員は「表現の自由とカード決済会社を含むプラットフォーマーの在り方について関係府省、また党内で検討を続けています」とコメントしている。特定の表現ワードがついている商品についてクレジットカードで購入できなくなってしまった場合、いずれ“特定の表現”の枠がさらに拡大され、さらなる制限が設けられることも考えられる。
今回の噂にはネットでも「古典ミステリー結構ダメになる可能性あるのでは」「まさに言葉狩りが始まるんですね」といったコメントが多く見受けられた。また、すでに規制対象にもなっている成人誌の販売などについての問題も含め、「どんな内容物でも自由に買える世界と状況を確保しないといけない」といった意見も。今やクレジットカードは経済の基本ともいえる決済方法。これが成立した場合、ミステリー分野などが衰退していく要因になってしまうかも。