進まない建て替えの原因は合意形成の難しさと資金面
老朽化マンションの対策の一つが建て替えですがこれもなかなか難しいのが実態です。国土交通省が公表している「マンション建替え実施状況」によると2020年4月1日時点で全国のマンションで建て替えが行われた実績は254件のみとなっています。建て替え工事実施中の物件と合わせても300件に到達していません。これまで建て替えが実現したのは、都市部の好立地にあったケースがほとんどです。
例えば建て替えをすることで容積率の緩和などに伴い今よりも高い建物を建てられ余った住戸を売却することで建て替え資金を捻出できたケースもあります。しかしそのような好条件の建て替えができるのは、一握りのマンションのみです。今後は、自己資金の負担なしに建て替えすることは難しいケースが多くなり区分所有者の合意形成が大きなハードルとなります。
老朽マンションの区分所有には手を出さない方がいい
このような高経年マンションの増加に対して国も手をこまねいているわけではありません。法令の整備も含めてさまざまな策を打ち出し老朽化マンションの長寿命化・再生へ取り組みを促進しようとしています。しかし問題の核心には高齢化や人口減少があるため、すっきりと解決することは難しいといえるでしょう。
このような状況に対して不動産投資家はどのような対策が必要でしょうか。もし区分所有マンションの購入を検討する場合は、購入前に修繕積立金の積立状況や管理状態、大規模修繕の履歴をよく確認し適切な管理が行われている物件のみを買うことです。しかしそのような優良物件は価格が高くなりがちです。
収益性を求めるなら自分で大規模修繕や日々のメンテナンスをコントロールできる1棟物がベストといえるのではないでしょうか。
文・平 行男/提供元・YANUSY
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