「富裕層(相場で勝つ人)は「自分のタイミングで勝負をしない(機が熟するまで待つ、自分が有利な状況で勝負を仕掛ける)」これはサイバーエージェント藤田晋社長が自著『運を支配する』で紹介した言葉です。投資の神様として知られるウォーレン・バフェット氏も、「待つ」ことの重要性を述べています。

著名な二人の発言から、成功する・失敗する投資例とタイミングの重要性について考えてみましょう。

富裕層は自分が「勝てる」タイミングで勝負する

ビジネスにせよ投資にせよ、富裕層は決して衝動や状況に流されて勝負に出ることがありません。自分にとってベストなタイミングが訪れるまで、何年でも辛抱強く待つ忍耐力を備えています。彼らにとってのベストなタイミングとは、つまり「人生の相場で勝てるタイミング」です。

総資産1,170億円、フォーブス誌の2019年版日本長者番付で42位にランキングされた藤田社長は著書の中で、「自分のタイミングで勝負せず、“そのとき”を見極め、運に合わせること」を勝利の法則としています。

また、「オマハの賢人」の異名を持ち、世界で3番目の大富豪といわれるバフェット氏は、「優良企業の株を安値で買い、長期間保有することで価値の値上がりを待つ」という投資スタイルで、総資産859億ドルもの富を築き上げました(フォーブス誌2019年6月25日データ)。

「待つこと」が富を生み出すという法則を熟知しているバフェット氏にとって、勝ちの投資とは「ストライクのほとんどを見送る」ことであると同時に、ベストのタイミングを見極めることでもあります。

バフェット氏は「お気に入りのホールド期間はフォーエバー(永遠)」と豪語しているだけに、待つことが苦になるどころか、楽しんでいるような印象を受けます。