不動産投資では収益物件を購入するため、初期投資額は少なくとも数千万円規模になります。そのため自己資金だけでなく金融機関の融資を利用するのが一般的です。つまり、不動産投資を実際に始めることができる否かは、「融資を利用できるか」にかかっていると言っても過言ではありません。
しかし、これから不動産投資を始めたいとお考えの方に融資の重要性をお伝えしたとしても、
多額の借金なので不安がある
・審査に通るかどうかも不安だ
・融資をどこに申し込めばよいのか分からない
といったように、さまざまな不安や疑問が湧いてくるのではないでしょうか。
そこで当記事では、不動産投資と融資の関係についての基本から、融資を行っている主な金融機関のご紹介、そして多くの方が気になる審査について詳しく解説していきたいと思います。不動産投資を始めたいとお考えの方にとって重要な情報なので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.不動産投資の融資(ローン)とは
1-1.不動産投資向けの融資を知ろう
1-2.住宅ローンとの違い
2.不動産投資で融資を利用する2つの理由と戦略
2-1.レバレッジ効果を活かせる(参入障壁が低くなる)
2-2.不動産投資家としてのステップアップが見込める
3.不動産投資向け融資を行っている金融機関とその特徴・審査基準
3-1.大手メガバンク・信託銀行など
3-2.不動産投資向け融資に力を入れている銀行など
3-3.地方銀行・信用金庫・信用組合など
3-4.商工中金・日本政策金融公庫・ノンバンクなど
4.融資審査で重視される3つの要素
4-1.本人の属性
4-2.自己資金額
4-3.物件の担保価値
5.不動産投資向け融資を受けやすい条件とは?
5-1.自己資金をある程度用意する
5-2.金融機関と不動産会社の選択を重視する
5-3.身の丈にあった物件を選ぶ
6.申し込みから融資を受けるまでのおおまかな流れ
6-1.事前審査
6-2.借り入れ申し込み
6-3.本審査
6-4.融資実行
7.まとめ
1.不動産投資の融資(ローン)とは
不動産投資の融資について、混同されやすい住宅ローンとの違いについて解説します。
1-1.不動産投資向けの融資を知ろう
不動産投資の資金調達で利用されているのは、収益物件の購入資金向けに用意されている不動産投資専門の融資(ローン)です。不動産投資向けの融資とはどういうものなのか、その特徴を知っておきましょう。
(1)「アパートローン」と「不動産担保ローン」の違い
不動産に関連する融資には、いくつかの種類があります。この記事で解説するのは不動産投資受けの融資であり、他の融資商品との違いを理解しておく必要があります。ここでは「アパートローン」と「不動産担保ローン」の違いについて解説します。
アパートローンは、文字通りアパートの購入資金を調達するために用意されている融資のことです。自己居住用の不動産を購入するためのものではないので、不動産投資向け融資です。アパートローンの他にも一棟マンションや区分マンションなど、さまざま形の不動産投資で利用できる融資商品があります。
もう一方の不動産担保ローンとは、すでに不動産をお持ちの方が不動産を担保として差し入れることによってお金を借りることができる融資商品のことです。すでに不動産をお持ちの方に有効な融資ですが、借入金の使途は不動産投資に限定されておらず原則として自由なので、自由度が高い一方で金利はアパートローンよりも高めになります。
(2)「固定金利」と「変動金利」
融資には金利が発生しますが、金利には大きく分けて2つのタイプがあります。1つ目が固定金利で、もう1つが変動金利です。それぞれ特徴があるため、1つずつ解説します。
①固定金利
借入時の契約で金利が固定され、完済するまで同じ金利が適用される融資です。経済情勢の変化によって金利は変動するため、借入時よりも金利が上昇する可能性がありますが、固定金利にすることで金利上昇のリスクを抑えることができます。その一方でリスクがない分、固定金利型は変動金利型と比べて金利が若干高くなります。
②変動金利
経済情勢によって金利の相場が変動するのに合わせてローン金利も変動するタイプです。日本では長らく超低金利が続いているため、変動金利を選択すると低金利で融資を利用できるメリットがありますが、将来にわたって返済中に金利が上昇する可能性は否定できません。
(3)返済期間と借り入れ金額の上限など
不動産投資の返済期間(融資期間)の最長は、金融機関によって異なりますが、おおむね30年から35年です。ただし、最長が30年といっても購入する物件の種類によって法定耐用年数が定められており、返済期間はそれを超えない範囲で決定されるケースが大半です。
主な建物の法定耐用年数は、以下の通りです。
木造(アパート、戸建て住宅など | 22年 |
鉄筋コンクリート(マンションなど) | 47年 |
この耐用年数は新築時からのものなので、中古物件を購入した場合は上記の耐用年数から築年数を差し引いた年数が、返済期間の上限となります。ただし、この場合であってもその年数が金融機関の定める上限を超える場合は、その上限を超えない年数となります。
借入金額の上限金額についても金融機関によって異なりますが、その上限金額以内であればいくらでも融資を受けられるというわけではありません。一般論として「年収の5倍から7倍」が上限金額であると言われていますが、不動産投資の場合は事業に対する融資なので、物件の収益性や担保価値なども考慮して融資の上限金額が決まります。
最も高い上限金額は物件の購入に要するすべての資金を借りることができるケースですが、これを「フルローン」といいます。
1-2.住宅ローンとの違い
住宅を購入するための融資として広く知られているのが、住宅ローンです。「住宅を購入する」という点ではアパートやマンションといった収益物件を購入することと同じなのですが、住宅ローンを不動産投資に利用することはできません。
なぜなら、住宅ローンはマイホームを購入したいと思う人ができるだけマイホームに手が届くように用意されている仕組みであり、返済原資が給与など定期的な収入であることが前提になっているため、貸し倒れのリスクが低い分、金利も安く設定されているからです。また、住宅ローンの規約にも「自己居住用に限る」という文言が盛り込まれており、住宅ローンで収益物件を購入するのは規約違反になります。
2019年には、金利が安い住宅ローンに目を付けた不動産業者が、収益物件の購入に住宅ローンの利用を指南していたことが発覚した事例もありました。不動産投資向けの融資と住宅ローンは用途が異なるものであり、不動産投資に利用できるのはそのために用意されている融資商品であるということを押さえておいてください。
2.不動産投資で融資を利用する2つの理由と戦略
不動産投資では多くの事例において融資の利用が前提になりますが、なぜ融資を利用するべきなのか、その理由と2020年現在の融資状況を踏まえた戦略を考察してみましょう。
2-1.レバレッジ効果を活かせる(参入障壁が低くなる)
不動産投資で融資を利用すると、自己資金だけでは購入資金の全額を用意できないという人であっても収益物件の購入が可能になります。資産家に生まれた人のように既存の資産を持っている人でなくても、融資を利用すれば不動産投資への参入が可能になるわけです。収益物件の購入資金という最大の関門をクリアさせてくれるのは、融資が持つ大きな効果です。
また、多くの不動産投資家は仮に自己資金だけで収益物件を購入できる状況にあったとしても、融資を利用しています。「借金をしなくても済むのであれば、その方が良いのでは?」とお感じになるかもしれませんが、融資を利用することで手持ちの現金資産を温存しながら他人資本を活用し、投資効率を高めることができるからです。この効果は、「てこの原理」のように少ない力(資金)で大きな力(投資効果)を生み出すため、「てこ=レバレッジ」という言葉に由来してレバレッジ効果と呼ばれています。
株式や投資信託、FXなど「投資」と名の付く運用手法は数多くありますが、このように融資という他人資本を活用してレバレッジ効果を発揮できるのは不動産投資だけです。
2-2.不動産投資家としてのステップアップが見込める
融資を活用してレバレッジ効果を発揮することができれば、手元に残った自己資金を使って複数の物件取得を進め、不動産投資家としてステップアップしていくことも視野に入ります。もちろん急激な投資拡大はリスクを高めてしまいますが、最初に購入した物件の経営が安定軌道に乗り、十分な自己資金が用意できた段階で次の物件購入を検討するということも、融資があるからこそ可能になります。
【参考】2020年現在の不動産投資向け融資状況
2020年の不動産投資向け融資を取り巻く状況を整理すると、以下のようになります。
・スルガ銀行スキームの終焉
- 融資基準の厳格化
- フルローンは不可能ではないが難しくなっている
- 高属性の人には有利という傾向が強まる
スルガ銀行スキームというのは、不動産投資向け融資に力を入れていたスルガ銀行の融資を利用して参入するというスキームだったのですが、不正融資などのスキャンダルが発覚し、以後同様のスキームは機能しなくなってしまいました。この問題などが影響を及ぼす形で融資の厳格化という流れは継続していますが、逆に高属性の人にとっては競争相手が少なくなるというメリットも生まれています。
3.不動産投資向け融資を行っている金融機関とその特徴・審査基準
不動産投資向けの融資を実際に行っている金融機関には、どんな種類があるのでしょうか。それぞれの金融機関について、特徴や審査基準について解説します。
3-1.大手メガバンク・信託銀行など
不動産投資向け融資を取り扱っている金融機関をピラミッド型に並べると、その頂点にあるのが大手メガバンクや信託銀行といった大手金融機関です。資金量や規模感では群を抜くスケールメリットを有しているので、こうした大手金融機関は借入金利が低いのが特徴です。
その一方で審査は最も厳しい位置づけになるため、これらの大手金融機関の審査に合格して融資を受けられる人というのは、高属性であると言えます。目安としては、年収が1,000万円以上の人が対象となります。
3-2.不動産投資向け融資に力を入れている銀行など
金融機関の中には、不動産投資向け融資に力を入れているところがあります。先述したスルガ銀行はかつて、不動産投資向け融資にとても積極的な銀行でした。2020年現在ではオリックス銀行などが融資に積極的な銀行と言えますが、地方銀行の中にも千葉銀行や静岡銀行などのように不動産投資向け融資に積極的な銀行もあります。
目安となる年収額は700万円から1,000万円程度です。大手金融機関ほどではないとしても、比較的高い属性を求められるのも特徴です。
3-3.地方銀行・信用金庫・信用組合など
地方銀行や信用金庫、信用組合はいずれもそれぞれの地方、地域に根差して営業をしている金融機関です。そもそも地域経済を支えることが存在理由なので、営業エリア内であることや居住者であることなどの条件はありますが、それぞれの金融機関が不動産投資向け融資を行っています。
大手金融機関では難しそうな融資であっても、これら地域の金融機関であれば審査に通る可能性があります。地域密着型の営業スタイルであるため、その地域で投資(事業)をしたいと考えている人に対しては親身になってくれるというメリットもあります。想定される年収クラスは、500万円から700万円程度です。
3-4.商工中金・日本政策金融公庫・ノンバンクなど
上記までご紹介してきた金融機関には、1つの共通点があります。それは預金業務を行っており、預金残高という自前の資金を有している点です。ここでご紹介する商工中金や日本政策金融公庫は政府系の金融機関であり、ノンバンクというのは貸付業務だけを行っている金融機関です。いずれも預金業務は行っていません。特にノンバンクは自前の資金がなく、調達した資金を貸し付けていることもあって金利は若干高めになります。
これらの金融機関は年収500万円以下の人も申し込みが可能で、属性についてもメガバンクや銀行ほど厳格な基準ではないため、次章で解説する審査の基準をクリアしてくれば、審査に合格することも十分可能です。
【参考】提携金融機関が多い不動産投資会社を選ぶ重要性
不動産投資会社には、提携先の金融機関があります。その投資会社の顧客が物件の購入を決めた際に紹介される金融機関なので、より確実に審査に合格して資金調達に成功するためにもその数は多いことが重要になります。
それと同時に、提携金融機関については「量」だけでなく「質」も重要です。なぜなら、できるだけ安い金利で融資を利用できる金融機関と提携していることは、投資家の収益性を高めてくれるからです。
4.融資審査で重視される3つの要素
融資の審査申し込みを受けた金融機関は、どのような要素で融資の可否を判断しているのでしょうか。大きく分けて3つの要素があるので、1つずつ解説していきましょう。
4-1.本人の属性
本人の属性というのは、年収や勤務先、勤続年数といった、資産や職業、生活などに関する情報のことです。これらに加えて、審査では本人の信用情報も重視されます。信用情報というのは、過去にローンなどの延滞などがないかという信用に関する履歴情報のことです。本人の属性として審査の対象になる主な項目と、それぞれの審査基準を一覧表に整理してみました。
属性 | 審査内容と基準 |
---|---|
年収 | 十分な返済能力があるかが審査対象。 年収は高ければ高いほど審査には通りやすくなる。 |
勤務先 | 公務員、大企業、その他の企業勤務の順で属性が高い。個人事業主やフリーランスなどは不安定な身分であると見なされ、審査では不利になる。 |
勤続年数 | 安定的な収入が今後も見込めるかという判断基準になる。 長ければ長いほど有利になる。 |
過去の信用情報 | ローンやクレジットカードなどの延滞、未払いなどが信用情報として残っていると審査合格が難しくなる。 |
保有資産 | 持ち家の有無、保有している金融資産なども審査の対象となる。残債より資産評価が高い持ち家があり、金融資産を多く保有しているほど審査には有利になる。 |
4-2.自己資金額
物件購入に必要な資金のうち、自己資金をどれだけ用意できるかも審査の対象になります。物件価格の1割から2割程度があれば基準をクリアできるというのが目安になっていますが、物件の収益性や申し込み先の金融機関によって審査の基準は異なります。
自己資金額は投資家の「本気度」を示すバロメーターという視点で審査されることもあるため、フルローン(自己資金ゼロ)よりも2割程度の自己資金を用意できる人のほうが審査には有利になるというのが一般的な認識です。
4-3.物件の担保価値
住宅ローンと違い、不動産投資向け融資は収益物件を用いた事業のためのローンです。融資の返済能力を測るうえで重要になるのが、物件の担保価値です。担保価値についての基準も金融機関によって異なる部分があります。おおむね以下の3点は審査において有利になります。
① 積算評価が高い
収益物件の積算評価は土地と建物に分けて考えられます。土地については路線価に面積を掛けて評価します。
建物については躯体毎に単価を設定し、その面積を掛け、築年数を考慮した上で評価を算出します。
仮に積算評価以下の物件であれば、金融機関からの評価は高くなります。
② 収益還元での評価が高い
収益物件は、その物件の利回りをベースにして売買価格が決まるケースが多いです。そのため、そのエリアや躯体、築年に応じた平均的な利回りに対して高いのか、低いのかでその物件が割高か、割安かを判断することができます。
収益還元評価が売買価格と比較して高いケースでは金融機関からの評価も高くなります。
<東京圏の新築ワンルームの融資審査に見られる傾向>
新築であること、ワンルームマンションであること、そして東京圏の物件であるという条件が整っていれば最も融資がつきやすい物件ということになるのですが、2020年現在の審査状況ではそうとも言えない傾向もみられます。その理由としては、東京圏の土地が積算評価以上の実勢価格になってしまっていることや、ワンルームマンションは土地の持ち分が少ないことなどが挙げられます。
【参考】審査に落ちる要素
以下の項目に該当する方は、これらの要素が審査に落ちる理由になる可能性が高くなります。
・過去にローンやクレジットカードの延滞、未払いなどがある
- 奨学金などの延滞、未払いがある
- 携帯電話料金などの延滞、未払いがある
- 個人事業主やフリーランスなどで収入を証明できる資料がない
5.不動産投資向け融資を受けやすい条件とは?
融資に関するここまでの解説を踏まえて、「不動産投資向け融資を受けやすい条件」とはどういうものなのかを考察したいと思います。融資審査対策としてご参考にしてください。
5-1.自己資金をある程度用意する
融資の審査において金融機関は、自己資金の多寡によって「本気度」を判断している側面があると述べました。もちろん自己資金が多いほど借入額が少なくなるためローリスクであるという理由もありますが、自己資金がゼロの人と、少なくともある程度の金額を用意している人とでは印象が大きく異なるのはイメージしやすいと思います。
もちろん自己資金を用意するために無理をしてしまうのは本末転倒です。融資の審査対策として他社から借金をするというのは、むしろリスクを高くする行為です。逆にもし他社に借り入れがある方は可能であればそれを完済しておくと、審査には有利に働きます。同様にクレジットカードを所有している方は、使う予定のないカードを解約したり、利用限度額を引き下げるとこれらも有利に働く可能性があります。
もちろん年収額や職業、勤続年数などといった属性が高い人であれば、自己資金ゼロからのフルローンも可能です。自己資金と審査の関係については、「あると有利になるが絶対に必要なものではない」という認識で問題ないでしょう。
5-2.金融機関と不動産会社の選択を重視する
融資は金融機関に申し込むものなので、「どの金融機関に申し込むか」についても戦略的に行動することをおすすめします。当記事では年収額の目安に応じて申し込むべき金融機関をご紹介していますので、ご自身の属性と照らし合わせて申し込み先選びをしてください。
それと同様に、不動産投資のパートナーとなる不動産投資会社選びも重要です。多くの実績を有している投資会社であれば、もちろん融資についても豊富な知見やノウハウを持っているはずです。
これまでに豊富な実績を有している投資会社には、多くの提携先金融機関があると思います。こうした総合的な実力は融資の審査だけでなく、物件購入後の賃貸経営においても大きな意味を持つので、金融機関選びと不動産投資会社選びはどちらも重視するべき項目です。
5-3.身の丈にあった物件を選ぶ
不動産投資には、さまざまな形があります。一棟マンション投資や区分マンション、一棟アパート、戸建て住宅など、投資の形によって購入する物件も異なります。この中で一棟マンション投資は規模が大きく、上手く運用することが出来れば収入も大きくなります。「不動産投資で大きな収入を得たい」という願望をかなえるためには有効かもしれませんが、それを購入するための資金計画に現実味がなければなりません。
身の丈に合った物件を選び、着実にステップアップしていくのが不動産投資家としての成長のモデルケースです。それではどんな物件が身の丈に合っているのか?これを初心者の方が判断するのは難しいと思いますので、そんな時はプロに相談してみるのも有効です。不動産投資会社はそのためのサービスを提供しているので、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
6.申し込みから融資を受けるまでのおおまかな流れ
最後に、融資の申し込みから実際の融資を受けるまでの大まかな流れを解説しておきたいと思います。
6-1.事前審査
不動産投資向け融資の審査で特徴的なのは、審査が2回あることです。1回目の審査は事前審査と呼ばれ、文字通り融資の契約を取り交わす前の「事前」に行われます。事前審査は本審査と比べると審査項目は少なく、主に本人の属性について過去の延滞などがないかといった信用情報などが審査の対象となります。
6-2.借り入れ申し込み
事前審査に合格したら、ここで正式に借り入れの申し込みとなります。
6-3.本審査
正式な借り入れの申し込みを受けて、金融機関は本審査を行います。事前審査は申込者本人の属性を中心に審査していたのに対して、本審査ではそれらの審査に加えて購入予定物件の担保価値についても詳細に審査されます。
6-4.融資実行
本審査に合格したら、融資が決定します。融資の決定を受けて物件の売買契約が成立します。売買契約を締結し、その契約内容にもとづいて購入代金の決済と物件の引き渡しが行われます。
【参考】融資の審査に落ちたらどうする?
ここまでの解説で、金融機関の審査はとても慎重に行われていることがお分かりいただけると思います。それだけに審査に落ちてしまう可能性もあるわけですが、もし審査に落ちてしまった場合はどうするべきなのでしょうか。考えられる行動は、主に2つあります。
①他社に申し込んでみる
第3章で解説したように、不動産投資向け融資を行っている金融機関には年収クラスによるランクがあります。あるランクの金融機関の審査で落ちてしまったのであれば、さらに年収クラスが低くても申し込める金融機関に申し込んでみると審査に合格できる可能性があります。
②不動産投資会社経由で物件を購入し、金融機関の紹介を受ける
自分で物件を見つけて金融機関に申し込みをして審査に落ちてしまったとしても、不動産投資会社経由で提携金融機関への申し込みなら道が開けるかもしれません。不動産投資会社と提携金融機関との間には過去の実績に基づく信頼関係があるため、何も関係がないルートからの申し込みより有利な審査環境が期待できます。
7.まとめ
不動産投資と融資の深い関わりと、融資の審査に合格するためのノウハウを解説してきました。とても魅力の多い不動産投資ですが、この世界に参入するために融資の審査は必ず通る関門でもあるので、審査の仕組みや最新の融資環境などをしっかりと理解した上で融資を受けやすい環境を作り、「不動産投資家になる」という目標を実現してください。
文・YANUSY編集部/提供元・YANUSY
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