インボイス制度とフリーランス、2023年に向けた対策法

(写真=大口葉撮影、YANUSYより引用)

――2023年にインボイス制度が導入されますが、フリーランスが事前に準備すべきことはありますか?

インボイス制度について考えるためには、前提として消費税について正しく理解しなければなりません。この記事で事前知識を含めた全てを語ることは難しいため、私のYouTubeチャンネルでインボイス制度について解説したこちらの動画をご覧ください。

前提条件をふまえたうえで、インボイス制度の対策方法はただひとつ、インボイス制度が気にならないくらいに稼ぐことです。つまり、2023年までに売上1000万円以上を目指しましょう。

――その条件をクリアできない人はフリーランスでいることが難しい……?

いいえ、そういうことではありません。インボイス制度が始まるとフリーランスが淘汰されるというニュアンスの情報がほうぼうで取り上げられていますが、これはあらゆる説明を省略した極めて一面的な情報です。

確かに免税事業者は納税額の面でデメリットが増えますが、それでも発注したいと感じる付加価値がそのフリーランスにあるのならば、企業が取引する理由は十分あります。また、継続取引のある企業であれば、報酬額を調整する交渉も可能でしょう。

多少発注額が増えてもその人を選びたいと思わせるフリーランスになることは、個としての価値を高めることにも直結します。

したがって、売上が1000万円に満たないフリーランスが、インボイス制度によって営業を続けるのが難しいと安易に決めつける必要はありません。

――最後に、フリーランスにとって税の知識とは何でしょうか?

フリーランスの仕事を攻守に分けるのならば、売上を上げることが「攻め」、確定申告に取り組むことは「守り」と捉えられます。いずれも欠けてはならない、自分自身の戦闘力に資するものなのです。この「守り」に対しておろそかにならないために必要なのが、正しい税の知識です。

とは言え、税について最新の知識を追い続けることは極めて難しいでしょう。自分の知らない情報を見ると不安になるかもしれませんが、専門家の執筆した書籍や税理士など信頼できるソースをもとに、自分なりの正解を見つけてください。その第一歩として、“フリーランス税本”が役立てれば幸いです。

フリーランスにとって税の知識は攻守の「守り」

(写真=大口葉撮影、YANUSYより引用)

インボイス制度対策や法人化の必要性など、年収1000万円に届くフリーランスはさまざまな課題に直面する。それらと相対したとき、専門家による正しい知識をもとに対策を判断することが重要だ。

  • 利益500~600万円程度を目安に、税理士に法人化の相談を

    ・法人化するなら株式会社、合同会社との設立差額はわずか15万円
    ・インボイス制度対策するなら2023年までに売上1000万円以上を目指すこと

税対策はフリーランスにとって「守り」である。「攻め」に力を注ぎ年収1000万円に到達した人であればこそ、「守り」も盤石にしたい。税理士と連携する、書籍に学ぶなどの方法を取りながら、自身にとって最善の確定申告、売上向上のためのキャリアプランを検討していきたいものだ。

(大河内薫さんインタビュー全3回、おわり)

提供元・YANUSY

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