マンション投資における「区分マンション」と「一棟買い」という2つの分類。どちらが良いのか迷ってしまう方は多いのはないでしょうか。当記事では、一棟買いマンション投資で成功させるためのノウハウを、区分マンション投資と比較をしながら解説します。 区分マンションで必要とされる資金は数千万円規模といわれています。一方、一棟買いは億単位になることが多いため、前者は初心者向けでお手軽、後者は資産家や上級者など限られた人のためのものというイメージをお持ちの方は多いと思います。
裏を返すと
「本当は一棟買いのほうが良さそうだが、無理なので区分で……」
という本音が含まれているのではないでしょうか。お金があるならマンションを一棟買いして本格的な大家業に参入してみたい、マンションの家賃で生計を立てたいとお考えの方は多いことでしょう。でも、実際のところはどうなのでしょうか。
「マンション投資は一棟買いのほうが良いのか?」
「本当に一棟買いするとなったらどれくらいの資金が必要なのか?」
「ローンに通るための属性は?」
これらの疑問が次々と湧いてくると思います。
当記事では、「マンション投資の本丸は一棟買い」である理由から、区分マンション投資との比較、必要な自己資金、そして一棟買いマンション投資で成功させるためのノウハウを伝授したいと思います。
一棟買いに少しでも関心のある方にとっては、どれも必須の知識です。読み終えた時には、マンション一棟買いに向けて前向きに検討することができるでしょう。
目次
1. 不動産投資のプロがマンションの一棟買いをすすめる理由
1-1.「マンション一棟買い」には不動産投資で得られる答えがある
1-2.実はマンション投資の本来の姿は一棟買い
1-3.大半の区分投資家が「いつかは一棟買い」と考えている事実
1-4.土地があることの安定感
1-5.実は一棟買いのほうがリスクは低い
1-6.不動産投資に取り組める時間は限られている
2.一棟買いvs区分所有 それぞれのメリットとデメリットを比較
2-1.一棟買いマンション投資のメリットとデメリット
2-2.区分マンション投資のメリットとデメリット
2-3.初心者でも「最初から一棟買い」は選択肢としてあり
3.マンションの一棟買いには自己資金がいくら必要?
3-1.物件価格の1割~3割が目安になる
3-2.自己資金は「頭金」ではなく投資の元本である
3-3.マンション一棟買いに必要な属性の目安
3-4.フルローンの一棟買いマンション投資は現実的ではない
4.一棟買いマンション投資を成功させるための極意7ヶ条
4-1.自己資金をできるだけ多く用意する
4-2.キャッシュ・イズ・キング
4-3.一棟買いの自由度をフルに活かす
4-4.中古物件選びのポイントは「立地」と「共有部分」
4-5.必要経費をケチらず、外注化できることは外注化する
4-6.提示された収益シミュレーションを鵜呑みにしない
4-7.今だけでなく将来の需要予測をシミュレーションする
5.まとめ
1. 不動産投資のプロがマンションの一棟買いをすすめる理由
不動産投資のプロや上級者の多くはマンション投資をするなら一棟買いを推奨しています。なぜこれらの事情通は一棟買いを推奨するのか、その理由を解説します。
1-1.「マンション一棟買い」には不動産投資で得られる答えがある
「マンション一棟買いで投資する」ことに関心をお持ちの方に、お聞きします。考えがそこに至った理由とは何でしょうか。
そこには不動産投資への本質的な願望や目的があると思います。
不動産の賃料収入を安定的に得たい
・不動産オーナーになって資産形成をしたい
・究極的には、お金持ちになりたい
あなたが「不動産投資」に期待するのは、このようなことではないでしょうか。これらすべてが不動産投資の魅力であり、参入を考えている方にとっては切実な願望でしょう。
結論から申し上げますと、一棟買いのマンション投資にはこれらの全てがあります。
1-2.実はマンション投資の本来の姿は一棟買い
実はマンション投資は一棟買いで丸ごと所有するのが本来の姿です。
区分所有という概念があるのは一棟買いだと価格が高くて買えない人が出てくるから。その証拠にアパートは一棟買いが普通であり、そもそも区分所有という概念がありません。何故なら、アパートであれば一棟買いであっても数千万円規模なので、一般的な投資家であっても一棟買いが可能だからです。
区分所有と一棟買いとでは一度に購入する戸数が違います。マンションの一棟買いとなると一度に10戸や20戸といった物件を所有することになりますが、区分の場合は1戸単位です。
区分の場合は家賃収入と賃貸経営コストがいずれも1戸単位になるため、どうしても非効率的です。同じ建物の中に同様の物件が他にもあるのであれば、それを丸ごと所有した方が効率が良くなるのは当然であり、キャッシュフロー(投資家の手残り)も大きくなります。
1-3.大半の区分投資家が「いつかは一棟買い」と考えている事実
前項で述べたように、マンション投資を始めたものの、予算の都合から区分所有を選択したという投資家は多いと思います。実際に多くの不動産投資会社が区分マンション投資を取り扱っており、その中でもとりわけワンルームマンション投資は高い人気を誇ります。
こうした投資家の多くは「まずは区分1戸から」という発想で不動産投資に参入し、やがて戸数を増やして「いつかは一棟買い」というステップアップを思い描いています。
つまり、区分マンション投資をしている人の中にも一棟買いが本来の姿であると認識している人が相当数いるわけです。
1-4.土地があることの安定感
区分所有と一棟買いには、決定的な違いがあります。それは土地の有無です。
もちろん区分所有であっても土地の権利を区分所有することになりますが、一棟買いだとそのマンションの敷地もすべて同一のオーナーが所有します。
建物は時間の経過とともに劣化が進むことは避けられませんが、土地が劣化することはありません。立地条件によっては購入時よりも価格が高くなることがあるほど、土地には普遍的な価値があります。
マンションはいつか建て替えの時期を迎えますが、その時にも区分所有より一棟買いのほうが権利関係がシンプルなので話をスムーズに進めやすいなど、土地と建物を一括で所有することには多大なメリットがあります。
1-5.実は一棟買いのほうがリスクは低い
一棟買いのほうが投資額が大きくなるためリスキーだというイメージをお持ちの方は多いと思いますが、実はマンション投資は一棟買いのほうが低リスクです。
その理由はとてもシンプルで、1戸のみの区分所有だと空室になると収入はゼロ、収支はマイナスになってしまいますが、一棟買いだと一斉に全室が空室になることは考えにくいので、空室リスクを分散することができるのです。
もちろん災害などで建物がダメージを受けてしまうと一棟買いのリスクが顕在化しますが、仮に区分ワンルーム物件を複数のマンションで所有していたとしても、おそらく所在地があまり離れていない場所にある可能性が高く、これだと地震や台風などの災害リスクは分散されません。
こうした点を踏まえると、マンション投資は一棟買いのほうが実は低リスクであると考えることができます。
1-6.不動産投資に取り組める時間は限られている
一棟買いであれば一度に10戸、20戸といった単位で購入するため、資産形成の速度には大きな差があります。
不動産投資は長期的な視野で取り組むものですが、人生のうち不動産投資に費やせる時間はそれほど長くはありません。現役世代のうちに道筋を作っておいて、それをリタイア後も続けたとしても、最長で40~50年程度ではないでしょうか。
区分マンションで投資規模を拡大していくとなると、最初は1戸から始めて翌年に2戸目といった具合に、1年で1戸ずつというペースが精一杯かも知れません。「不動産収入で悠々自適」という老後を思い描いている方は、区分マンション投資だと時間が足りないかも知れないのです。
2.一棟買いvs区分所有 それぞれのメリットとデメリットを比較
マンション投資の大きな分かれ道である、一棟買いと区分所有。どちらを選ぶべきかを決めかねている方のために、ここではそれぞれのメリットとデメリットを詳しく比較してみましょう。
2-1.一棟買いマンション投資のメリットとデメリット
一棟買いマンション投資のメリットとデメリットを以下に整理してみました。
【一棟買いマンション投資のメリット】
得られるキャッシュが大きい
・空室が発生しても収入ゼロにはならずリスクが分散される
・土地と建物を所有するため資産価値が持続しやすい
・賃貸経営の効率が高い
・賃貸経営の自由度が高い
【一棟買いマンション投資のデメリット】
初期投資額が大きくなり、ローンの借入も大きくなる
・火災や災害などで建物がダメージを受ける可能性がある
・流動性が低く売却しづらい
メリットとデメリットを並べてみて、やはり費用が大きくなることによるリスクの増大と参入障壁が最も大きなデメリットです。
逆に考えると、このデメリットさえ解決できればメリットがとても多いため、今は区分マンション投資をしている人の中にも「いつかは一棟買いで」と考える人が多いのもうなずけます。
2-2.区分マンション投資のメリットとデメリット
それでは次に、区分マンション投資のメリットとデメリットを整理してみましょう。
【区分マンション投資のメリット】
初期投資が少なく、初心者や予算の少ない人にも取り組みやすい
・すでに管理会社が入っているため管理しやすい
・建物全体のダメージや老朽化による影響が限定的
【区分マンション投資のデメリット】
管理する戸数が少なく、空室が発生すると影響が大きくなる
・賃貸経営の効率が低く、一棟買いより利回りが低くなる
・賃貸経営の自由度が低い
少額からでも始められることが最大のメリットである一方、経営効率があまり高くないためキャッシュフローを残しにくく、「不動産収入で左うちわ」を実現するのは難しいというのが、区分マンション投資の特徴です
2-3.初心者でも「最初から一棟買い」は選択肢としてあり
不動産投資の初心者は区分所有から、その中でもとりわけ区分ワンルームマンション投資を勧める宣伝文句やネット記事などを目にしたことがある方は多いと思います。これにはいくつかの理由がありますが、最大の理由は新たに不動産投資を始めようとしている人の懐事情を考えると、それが最も現実的な選択肢だからです。
しかし、ここまで述べてきたように多くの投資家が「いつかは一棟買いで」と考えているのは事実であり、そこには区分所有よりも一棟買いのほうが不動産投資のメリットをより多く享受できると感じているからでしょう。
標準的なサラリーマンの所得水準で自己資金を少なくとも1,000万円以上用意するのが難しいということであれば、区分所有から始めることになりますが、近い将来にそれだけの自己資金を用意できる見込みがあるのであれば、最初から一棟買いでも良いのではないでしょうか。
新築にこだわると価格が高くなるため購入のハードルも高くなりますが、中古の一棟買い物件であれば安いものを探すのは決して難しくありません。
3.マンションの一棟買いには自己資金がいくら必要?
区分所有よりも一棟買いを検討したいという方にとって、最も気になるのは「先立つもの」です。億単位の買い物になることも多いマンションの一棟買いだけにローンの利用が前提になるとして、自己資金はどれくらい必要なのでしょうか。
3-1.物件価格の1割~3割が目安になる
ローンの審査で重視されるのは、物件の収益性と事業計画の健全性、そして投資家本人の信用と属性です。これらのすべてを審査するためケース・バイ・ケースですが、少なくとも購入額全体の1割、多くて3割程度の自己資金が必要になるというのが目安です。
言うまでもなく、自己資金が1割でも審査に通るケースというのは、物件の収益性が高く、それでいて投資家本人の属性が高い、社会的信用が高いといった場合です。
平たく言えば、金融機関にとってお金をきちんと返済してくれる見込みが立つ人は自己資金が少なくても審査に通りやすく、その逆だと自己資金を多めに求めるという具合です。自己資金を多めに用意できない、もしくは収益性や返済能力に疑問があるという場合は、そもそも審査に通りません。
3-2.自己資金は「頭金」ではなく投資の元本である
不動産投資は事業なので、自己資金はその事業資金の一部であるというのが金融機関にとっての認識です。
不動産投資の自己資金は物件取得費用の一部として充当されるため、ローン払いの頭金だと見なしている方は多いと思います。確かにそれも間違いではないのですが、不動産投資の自己資金にはそれとは別の意味合いもあります。
もしあなたがお金を貸す側の立場で、「これだけの事業資金を用意して本気で取り組みたいので、お金を貸してほしい」と持ちかけられて、必要な資金の半分を用意している人と、1割にも満たないお金しかない人だと、どちらを信用するでしょうか?言うまでもなく、前者のほうが事業に向けての本気度が伝わってくるので、お金を出しやすくなるでしょう。
金融機関にとっての自己資金とはこれと同じもので、自己資金の多寡によって不動産投資という事業への本気度を審査していると考えて良いと言えます。
自己資金が多いほど審査に通りやすいのは、収益性が向上するというだけでなく、投資家が不動産投資を成功させようと思っている本気度を評価されているからという理由もあるのです。
3-3.マンション一棟買いに必要な属性の目安
マンションの一棟買いは億単位の買い物になることもしばしばです。
仮に1億円の物件を購入するとして、ローン審査に通るには自己資金として1割から3割の中間をとって、2,000万円が目安です。
もっとも、大都市圏の優良物件であれば収益性が評価されて1,000万円でも可能になることも考えられます。
次に、8,000万円から9,000万円規模の借り入れをするのに必要な年収を考えてみます。
区分マンション購入時のローンでは、年収の7倍程度までという目安があります。つまり、年収が600万円の人であれば4,200万円までの融資が現実的という計算です。
マンション一棟買いの場合は土地と建物という資産性があるため、積算価格といって「土地と建物が持つ資産としての価値を算定し、それをもとに融資額を決める方法」と、区分マンションと同じように「年収と比較した倍数で決める方法」があります。
立地条件が良く、また築浅であるなど資産性が高い物件であれば担保価値が高いため融資枠も大きくなりますし、審査にも通りやすくなります。一棟買いの場合は積算価格が重視される傾向が強く、年収に対する倍数は各金融機関が個々に定めており、それをクリアしているか否かで判断されます。
近年では不動産投資向けの融資審査が厳格化されており、少なくとも年収700万円以上でないと審査の俎上に乗らないと言われています。
3-4.フルローンの一棟買いマンション投資は現実的ではない
自己資金ゼロで全額をローンでまかない、不動産投資を始められるというスキームがあります。「フルローン」「オーバーローン」と呼ばれていますが、フルローンとはマンションを一棟買いするのにあたって物件価格の全額をローンで調達することで、オーバーローンとは不動産投資を始めるのに必要な諸経費も含めた全額をローンで調達するという意味です。つまり、オーバーローンだと投資家は全く持ち出しがなく不動産投資家になることができます。
不動産投資は他人資本であるローンを活用することでレバレッジ効果を生み、それを味方につけることで、家賃収入や資産形成といったメリットがより大きくなります。それがオーバーローンだと貯金ゼロでもこのメリットが得られることになりますが、残念ながらこれは現実的ではありません。
全く自己資金を持たずに不動産投資を始めたとしても、翌年の税金を支払えないでしょうし、不測の事態で現金が必要になっただけでも資金がショートしてしまいます。フルローン、オーバーローンでマンションの一棟買いをしても良いのは、本当は十分な自己資金があるもののそれを手元に残しておきたいという人だけです。
加えて近年では、不動産投資に関連する不祥事や失敗事例の増大によって融資環境が厳しくなっています。先ほど自己資金は投資家の本気度を審査するためのものであると述べたように、自己資金を全く投じずにマンションのオーナーになるというのは、あまり現実的ではないと考えた方が良いでしょう。
4.一棟買いマンション投資を成功させるための極意7ヶ条
最後に、一棟買いマンション投資を始めようとお考えの方に、成功するための極意7ヶ条を伝授します。これらすべてを意識した上で具体的な行動を取ることで、一棟買いマンション投資の成功に近づくことができるでしょう。
4-1.自己資金をできるだけ多く用意する
億単位の現金を持っている方であればともかく、マンションの一棟買いとなると融資の利用が前提になります。当記事では物件価格1億円に対して少なくとも1,000万円、できれば2,000万円の自己資金を推奨していますが、それよりも多く用意できるのであれば多いに越したことはありません。
すでにいくつかの物件を持っている投資家と違って、初めてマンションの一棟買いをする初心者の方はどうしても金融機関の融資金利が高くなってしまい、少なくとも3.5%程度、条件によっては4%程度の金利になることもあります。
金利負担をより軽くするためにも自己資金を多めに投じることは有効ですし、審査にも有利に働きます。
逆に、このレベルの自己資金を用意できない人は、マンションの一棟買いをしてもリスクが極めて高いと考えるべきだということでもあります。
4-2.キャッシュ・イズ・キング
税金の支払いをはじめ、設備の故障や家賃滞納などに備えるため、1億円の一棟買いマンションであれば、最低でも500万円程度の現金をプールしておくのが目安です。
自己資金を多めに投じて優良物件が買えたものの、資金ショートによって黒字倒産をしてしまっては元も子もありません。
自己資金をできるだけ多めに投じるべきと述べた直後に若干矛盾するのですが、投資や経営の世界には「キャッシュ・イズ・キング」という言葉があります。あらゆる資産の中で最も流動性が高く、急な需要に応えられる資産として現金は最強なので、不動産投資という事業を始めるのにあたって現金を全く持っていない状況は避けるべきです。
4-3.一棟買いの自由度をフルに活かす
一棟買いが区分所有と違うのは、土地と建物を丸ごと所有できることです。その建物の管理や賃貸経営のあり方などをオーナーが自由に決められるので、その自由度を大いに活かしましょう。
管理会社の選定やリノベーションの可否など賃貸経営の重要な判断事項もすべて投資家本人に委ねられるので、しっかりと戦略を立てて差別化を図りたいものです。
4-4.中古物件選びのポイントは「立地」と「共有部分」
資金的な事情などにより、初心者の方が中古マンションを一棟買いするケースは多いと思います。新築と違って中古はすでに前オーナーが賃貸経営をした実績があるため、空室率や利回り、キャッシュフローなどの実績データがあります。これらのデータを精査するのは当然ですが、それ以外に重視したいポイントが2つあります。
1つ目は、立地条件です。不動産投資の成否は物件選びで決まりますが、その中でも大きなウェイトを占めているのが立地です。駅近であること(徒歩10分以内)、しかもその駅が急行などの停車駅であれば理想的です。
その他にも周辺環境や生活利便性、近隣の需要施設または嫌悪施設についての状況など、これらの条件は購入後の賃貸需要に極めて大きな影響を及ぼすため、立地を精査をする目は厳しすぎるほどでちょうど良いと言えます。
2つ目は、中古マンション物件の共有部分です。各室内は空室時でしか見ることはできませんが、共有部分は購入前であっても見ることができます。1階エントランスや廊下といった共有部分には住民の民度や生活の様子が表れやすく、ゴミが散乱していたり共有部分に私物が置かれていたりといったように、共有部分を見ることで自身がオーナーになった時の状況をイメージすることができます。
4-5.必要経費をケチらず、外注化できることは外注化する
マンション全体の管理は、基本的には管理会社に一任するのが一般的です。相続によって大家さんとなったような地元の資産家の中には自身で物件管理をしている例もありますが、新たにマンション投資に参入する人は管理のノウハウもあまりないと思いますので、専門の管理会社に委託するのが無難です。
おおむね1戸あたり家賃の5%程度が相場なので、このコストはケチらず物件管理に使うべきでしょう。
他にもリノベーションや一部リフォーム、修繕といった作業が発生することもありますが、こういった場合もプロに任せるのが無難です。オーナー自らがDIYで対応した事例がネットなどで紹介されていますが、素人の仕事だとすぐにまた壊れてしまったり、最悪の場合はそれで入居者がケガをしてしまったりといった事態も考えられるので、リスク管理の観点からも外注できることは基本的にプロに任せましょう。
4-6.提示された収益シミュレーションを鵜呑みにしない
投資家にとって最も重要なのは表面利回りではなく、最終的なキャッシュフローです。不動産投資が表面利回りの通りになることはないので、キャッシュフローベースでどれだけの手残りが見込まれるか、中古マンションの場合はこれまでの手残りがどうだったのかというデータを求めましょう。
マンションを一棟買いする際には、それを販売する不動産会社が収益シミュレーションを行い、投資家に提示します。ここで注意したいのは、不動産会社の仕事は物件を売ることであるという事実です。
どうしても目の前にバラ色の不動産投資家生活を見せられると飛びつきたくなってしまいますが、すぐには鵜呑みにせず、シビアな視点を崩さないようにしてください。
4-7.今だけでなく将来の需要予測をシミュレーションする
区分所有と違って、一棟買いは投資期間が長期になります。そのため今だけでなく将来の需要予測が区分の場合よりも重要になります。賃貸需要を決めるのは人口の流入や近隣の需要施設なので、少なくともローン返済期間における需要の予測を立て、賃貸経営の健全性が保たれるかどうかのシミュレーションが必要です。
もちろん販売側の不動産会社も将来予測を含めた提案をしていますが、ご自身でも人口移動予測を参考にするなど、購入を検討している一棟マンションが10年後、20年後にどうなっているかを可能な限り緻密に予測してください。
【参考ツール】人口マップ(RESAS)
こちらは日本全国の将来人口予測を調べることができるサイトです。「人口増減」という項目で2045年までの将来予測を見ることができます。
5.まとめ
「不動産投資で資産を増やしたい」という思いを実現するには、マンションの一棟買いが良さそうだと思われている方に必要な情報を、順序だてて解説してきましたが、いかがでしたか?これなら自分にもできそうだというイメージをお持ちになったでしょうか?
数千万円の自己資金やローン審査というハードルは決して低くはないですが、マンション投資の本来の姿である一棟買いには、「お金持ちになる」という生活を実現する力があります。自己資金がまだまだ足りないとお感じの方は、まずは自己資金作りから始めることで夢の実現に一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
この記事が、マンション一棟買いへの一歩を踏み出す力となれば幸いです。
提供元・YANUSY
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