出張と旅行を同時にした場合、交通費はどうなる?
――では、将来的には売上につながるかもしれない出費は経費に含まれますか?
その可能性を自身が説明できるのであれば経費に含まれます。しかし、一般的に考えて「妥当性がない」と捉えられるものは難しいです。
よくあるケースが、ブログを書くために購入したというあれこれが経費に認められるかどうか。そのブログが売上を目的に、明確なビジネスモデルのもと運営されるものであれば構いませんが、「何かを買ってついでに書いたレビュー記事で、売上につながる可能性もゼロではない」程度のものだと経費としては認めがたいでしょう。
――私用の使用目的と重複した出費はいかがでしょうか。私は仕事で出張に赴いたとき私事の予定も入れますが、この交通費は出張費として認められますか?
どちらの目的が先立つかにかかっています。質問例の場合は、交通費として認められます。あくまで仕事の「ついでに」私用を済ませるのだから。一方で、「遊びたいから〇〇に行って、ついでに取材もしよう」だと経費として認められません。
公私の重複が認められる費用については、「按分」というキーワードも押さえておきましょう。フリーランスの経理において、事業用と家庭用双方に使われているものは割合に応じてその費用を分割することができます。事務所と自宅兼用のスペースの家賃や水道費、光熱費などが代表的なものですね。詳しい解説は、こちらの動画も参考にしてみてください。
繰り返しにはなりますが、こうした判断の匙加減に共通するのは、自分が納得して誰にも「仕事のための出費だ」と説明できるかどうかです。
――厳密な判断基準がないなか、その経費を説明できるかどうか悩んだらどうすればよいでしょうか?
税理士に相談するか、信頼できる著者の書籍を読むか、いずれかの方法をおすすめしたいです。フリーランスの方は知り合いから聞いた情報を頼りに確定申告をしたり、インターネット記事を調べて経費を判断したりするケースをよく見かけますが、いずれも不要な不安や誤った情報を増やす結果につながりがちです。
説明できる無理のない確定申告を目指して
高年収フリーランスの節税を支えるのは基本の「抜け漏れなく確定申告をすること」だと教えてくれた大河内薫さん。そのための判断基準が自分にしかないからこそ、確定申告の難易度は高く感じるのだろう。抜け漏れなく確定申告をするためのポイントは下記の4点だ。
・「仕事のための出費」と説明できる理由があるかどうかで経費を判断
・先行投資として経費計上する場合は事業内容を基準に判断
・家庭用や私事と重複する経費は目的を基準に判断、または按分
・確定申告や税務調査を恐れず、完璧にこだわらないスタンスで確定申告を
ところで、本記事でも出てきた税務調査。年収1000万円を超えたフリーランスにとって、税務調査は一抹の不安を覚えるものではないだろうか。【大河内薫さんに聞く・中編】では、税務調査の目的や、税務調査対策としてフリーランスが準備すべきことを、高年収者の例を挙げて聞く。
(【大河内薫さんに聞く・中編】につづく)
提供元・YANUSY
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