近年、日本経済において企業の人材不足が大きな課題となる中、自社の生産性を向上させるための「インサイドセールス」に注目が集まっている。
インサイドセールスとは「外回りをせず内勤で行う営業」である。アメリカやヨーロッパでは、新規の見込み客を開拓し、商談、契約まで完結する「IT化されたインサイドセールス」は主流ともいえる営業スタイルだ。
顧客が多様化し、日々変化する時代において、日本の企業ではインサイドセールスをどのように捉えているのか。アンケートの結果とともに、導入することで期待されるメリットや効果を分析する。
インサイドセールスの認知度



日本で行った調査によると、従業員数にかかわらず、ほとんどの企業でインサイドセールスへの認知度が低いという結果となった。
また、すでに「自社に取り入れている」と回答した企業も、ほとんど10%に満たないことが見てとれる。10%を超えたのは、従業員数1000名以上の企業のみという驚きの結果だ。 日本の企業では、そもそもほとんど耳にしない営業手法であり、知っていたとしても導入には至っていないレアなアプローチだといえるだろう。
導入した企業が感じる「効果」

認知度が低く、取り入れている企業が極端に少ないインサイドセールス。そんな中、いち早く自社の営業活動に導入した企業は、現在どのような感想を持ち、どれぐらいの効果を感じているのか。
企業調査の結果によると、多くの場合、「新規の顧客数」や「案件数」が増加したと感じているようだ。インサイドセールスで「アポの質が上がる」など、業績につながる効果を得られていることも重要なポイントである。
上図が表すように、デジタル化されたインサイドセールスで「成約率を高めるための営業分析」をしっかり行っていることも、成果が出た要因の一つだろう。
これまでとは異なり、「属人化された情報」や「長年の勘」などに頼らない、新しい営業スタイルが生まれている。経験の少ない社員でも、データをもとにした適切なインサイドセールスを行えば、短期間でそのスキルを身につけることができ、人材育成にかかる時間や費用も抑えることができそうだ。以下で詳しく解説する。