本記事は、川村和義氏の著書『ラーメンを気持ちよく食べていたらトップセールスになれた』(WAVE出版)の中から一部を抜粋・編集しています

「また会いたくなる人」になる

(写真=new-africa/stock.adobe.com、ZUU online libraryより引用)

私は支社長時代にスカウトをたくさんしてきましたが、候補者のターゲットを明確にしていました。

それは、「一流大学」「一流企業」「体育会系」「笑かすやつ」です。この4つのこだわりについては別の機会にお話ししますが、この中で一番大切にしていたのは「笑かすやつ」です。

「それは川村さんが関西人だからですか?」

と言われることが多いのですが(もちろんそれはゼロではありませんが)、人を笑わせるということは、場の空気が読めて、サービス精神が旺盛で、コミュニケーション力が高いということ。

いつも周囲の人を気遣い、楽しませ、自分自身も明るく楽しく振る舞っている。そんな、ただ面白いだけではなく、いつも場を盛り上げようと注意を払い努力してくれている人こそが、私のいう「笑かすやつ」という意味です。

営業所長が、ライフプランナーとしてスカウトしたい人物を連れてきます。そして何度も何度も面接をして、最後の最後に「採用、不採用」を決めるときに、当然ながらさまざまな葛藤があります。

人の人生を大きく変えることにもなるし、われわれの仲間として受け入れていいのかと、慎重になります。

見た目の雰囲気は悪くない、ただ前職での仕事ぶりはボチボチ、面接での点数もギリギリ。最終的に採るかどうかというとき、私は必ず営業所長に聞くことがありました。

「彼をうちの支社パーティーに呼びたいと思う?」
「彼を連れて飲み会に行って盛り上がるかな?」
「彼と一緒に土日にバーベキューしたい?」

その返事が、

「うーん、ちょっときついですよね」
「あまり盛り上がらないんじゃないですか」
「土日は一緒にいたくないですね」

となれば、その人は絶対に採らない。なぜなら一緒にいて楽しくないから。

その反対に営業所長が、

「絶対に支社パーティー盛り上がりますよ」
「次の飲み会に呼びたいくらいです」
「家族とのバーベキューにもいてほしいです」

と思うタイプは、能力が同じでもその人を採りたくなる。一緒にいて楽しい「笑かすやつ」は、重要な条件なのです。

なぜ、そこまでこだわるのか。それは、ライフプランナーという職業の特性を考えれば当然のことです。すでにお伝えしているとおり、一般的に売ることが難しい生命保険を扱い、お客さまにファンになってもらい、紹介をもらいつづけること自体も「笑かすやつ」のほうがうまくいく可能性が高いからです。

しかし、大切なのは、その生命保険をお預かりしてからの仕事です。そこからお客さまの人生を一生涯にわたってサポートしていく。そこには、結婚した、子どもが生まれた、家を買ったなどの人生の節目に立ち会ったり、もちろん病気や事故で入院した場合には、すぐに飛んで行ってお見舞いし、支払いの手続きを行う。そして、万が一のことがあれば遺族に対し保険金のお届けをする。

そんなお客さまの人生に入り込むライフプランナーという仕事につく人として、自分が一緒にいて楽しくない人を採用するわけにはいきません。お客さまのところに向かわせることはできないのです。

私は、お客さまがファンになってくれ、応援してくれる可能性の高い人を採用したかった。そのためにも「笑かすやつ」という能力は外せません。

「お客さまがファンになってくれ、応援してもらえる人になる」とは、「何度会っても、また会いたくなる、会うたびに元気をもらえる」──そんな人になることなのです。

(写真=ZUU online libraryより引用)

文・ZUU online編集部/提供元・ZUU online library

 

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