韓国に滞在するタイからの出稼ぎ労働者が、2015年からの数年で500人以上死亡していたことがわかりました。そのうち8割となる400人以上がタイ語で「小さな幽霊」と呼ばれ、不法な出稼ぎ労働者とみられています。他の国と比べて多すぎる出稼ぎ労働者の死亡数に、国連も事態を解明するための調査を呼びかけています。
外国人労働者が増加している韓国の現状
かつては労働力輸出国だった韓国ですが、生産職において労働力不足が本格化した1990年代から労働力の輸入に力を入れ始めました。
韓国政府は人材を確保するため、2004年に「雇用許可制」を施行しました。これは韓国企業が、政府から雇用許可証を発給してもらい合法的に非専門人材として外国人を雇用する制度です。その後、高度人材の優遇措置や研修就業制度などを導入し、積極的に外国人労働者を受け入れています。
その結果、近年では外国人の流入数が右肩上がりに伸びており、2018年には49.5万人の外国人が韓国に流入しています。
コロナ禍で不法滞在者が増加
外国人労働者が増えている韓国では、新型コロナウイルスの影響によって国内に不法滞在する外国人が急増しているそうです。その数は約40万人とみられ、不法滞在者を収容する施設も飽和状態であると2020年秋に韓国のニュースサイトが伝えています。
新型コロナウイルスの影響で出国できなくなってしまったビザなし入国の短期滞在外国人のほかにも、不法就労を狙った外国人が滞在していると考えられます。長期滞在者でも、出国できないために許可された期間を超えて就業してしまい、それが摘発され問題となっています。