出典元:Googleトレンドで振り返るYear in Search──2020年を見つめてこれからのビジネスを見据える5つのアイデア
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(大流行)により、2020年は多くの人々の暮らしや環境に変化が生じ、その行動にも影響を与えるような、感染への「不安感」が伴う年となった。
調査によると、後半は「感染不安」のピークがいったん落ち着き、生活者は新たな「予防」行動へと移行を始めたことが見てとれる。景気などのビジネス上では、従来のタイミングとは異なった時期に「エアコン」の検索が増加するなど、企業の商機となる販売時期や繁忙期の予測にも大きな影響が出たといえるだろう。
本文では、激動の2020年をGoogle検索で振り返り、その推移から、著しく変化する環境の中で、新たなビジネス成長を目指すための施策を分析する。
購買行動に新基準
出典元:Googleトレンドで振り返るYear in Search──2020年を見つめてこれからのビジネスを見据える5つのアイデア
2020年の1年間で、消費者心理にはさまざまな変化が生じている。感染に対する不安を持ちつつも、多くの人々が環境に制限がある中で、自身の楽しみを模索する行動に移り変わっていったのだ。
具体的には、密の空間を避けるべく、自宅で映画などが楽しめる「プロジェクター」の検索が大きく増加し、外出を避けるために自身で体のメンテナンスを行う「マッサージ機」などの検索量も増えている。上図のように、消費者はこの環境に不安を抱えつつも、前向きに捉えているという複雑な心理状況が続いているようだ。
視覚以外のコンテンツにも需要の高まり
出典元:Googleトレンドで振り返るYear in Search──2020年を見つめてこれからのビジネスを見据える5つのアイデア
感染予防への行動とともに、需要の高まりをみせたのが「ラジオ」や「ポッドキャスト」など、耳から情報を取得できるツールである。忙しい日常生活の中で、地域性の高い、生活者に役立つ「情報」や、自身がリラックスできる「音楽」を求めていたといえるだろう。もともとあったツールの価値が見直され、再認識へとつながったと推測できる。
また、注目すべきは「アロマキャドル」や、居住空間を香りで満たす「ルームフレグランス」などの検索量だ。「匂い」で共通する「消臭」の検索は増えていないことからも、自宅で気持ちよく過ごしたいという生活者の希望が表れているといえるだろう。
いずれも、視覚以外で心が揺さぶられるもの、また、高価ではない、ライトなコンテンツであるのも特徴だ。