株式投資をするなら、世界経済を牽引するアメリカ株も視野に入れたい。実は、アメリカ株は日本株よりも少額投資がしやすい。日本には「単元株」という仕組みがあるため購入は100株単位だが、米国株は1株から購入できるからだ。1株100ドル台のAppleの株主になることも、そう難しいことではない。

世界的な有名企業の株が買えるアメリカ市場

株式投資をするならば、対象を日本株だけに絞ってしまうのはいささかもったいない。アメリカには「GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)」と呼ばれる世界的IT企業もあり、株式投資で成功を収めたいならアメリカ市場も視野に入れておきたいところだ。

GAFA以外にも、有望株はたくさんある。例えば電気自動車大手のTesla。2020年は株価が8倍以上に跳ね上がり、世界の投資家が注目している銘柄だ。新型コロナウイルスを追い風に、ビデオ会議システム大手のZoomの株価も2020年の1年間で約5倍になっている。

枚挙にいとまがないが、新型コロナウイルスのワクチンを開発する医薬品大手のPfizer、ライドシェア大手のUber Technologiesなども、注目銘柄といえるだろう。

ちなみに冒頭で触れたAppleは、2020年の取引開始日(1月2日)は75.09ドルだったが、取引最終日(12月31日)の終値は132.69ドル。1年で約76%も上昇したのだ。

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アメリカ株投資のメリットは1株から購入できること

アメリカ株を視野に入れると、さまざまな有望企業が選択肢に入ってくる。それ以外にも「1株から買える」など、日本株投資とは違ったメリットがあるので、改めて整理をしていこう。

メリット1:アメリカ株は1株から買える

日本で初めて株式投資をしようとすると、「単元株」という仕組みがあることに気づく。この仕組みがあることで、基本的に日本株は100株単位でなければ株式を保有することができない。

「基本的に」と書いたのは、日本でも1株単位の「単元未満株」に投資できるサービスがあるからだ。しかし、証券会社によっては単元未満株を扱っていないところもあり、発注や株主優待にも制限がある。日本株は、基本的に100株単位での取引が一般的と考えておけばよいだろう。

例えばトヨタ自動車の株式を保有しようとすると、1株7,957円(2020年12月30日終値)を100株購入する必要があるため、投資額は80万円近くになる。1銘柄だけで多額の資金が必要になるわけだ。

一方でアメリカ株は、1株から保有できる。アメリカ株の中には、有望企業であっても1株数十ドルの銘柄もあり、1株だけ数千円で購入してその企業の株主になることも可能だ。例えば、iPhoneで有名なAppleの2020年12月31日の終値は133.72米ドル。1月4日2時時点では1ドルが103.02円なので、約1万4,000円で購入できる。

メリット2:日本よりも株主還元意識が高い

一般的に、アメリカ企業は日本よりも株主還元意識が高い。中には四半期ごと、つまり年4回も株主に対して配当金を支払っている企業もあり、結果として高い投資利回りが期待できる銘柄が少なくない。日本株の配当は、年1~2回が一般的だ。

1株1万円以内で保有できる銘柄で年4回の配当を行っている企業には、タバコ大手のPhilip Morris Internationalや石油・石油大手のExxon Mobilなどがある。Philip Morris Internationalの配当利回りは約6%(2020年10月時点)、Exxon Mobilも約10%(同)と高い。

ちなみにAppleも、2月、5月、8月、11月と毎年4回配当金を支払っている。

メリット3:値動きが大きい

アメリカ株は、日本株よりも値動きが大きい傾向がある。日本には株価の暴騰・暴落を防ぐための「ストップ高」「ストップ安」という仕組みがあるが、アメリカ市場にはない。

このような仕組みがないため、アメリカ市場のほうが暴落するリスクが高いといえるが、裏を返せばそれだけ大きい収益を上げるチャンスも多いということだ。

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投資スタイルは長期保有、まず少額で始めたいという人は注目

アメリカ株は1株から購入できるため、「最初は少額で試してみたい」という人に適している。また一般的に配当回数が日本株よりも多いため、少額でコツコツ買い足していって長期で保有し、配当金を貯めていくというやり方もある。

ただし、アメリカ株の中には1株が10万円以上する銘柄もある。例えばAmazonの株価はすでに3,000ドルを超えており、1株保有するだけでも30万円以上かかる。一方で、前述のとおりAppleのように1万円台で保有できる銘柄も多くある。

とはいえ、株を購入する基準は「自分の予算に見合っている」「その企業についてよく知っている」「将来展望が明るい」など、日本株を購入する場合と変わらない。日本株だけでなく、アメリカ株を視野に入れてみてはいかがだろうか?

 
執筆・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)

国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。  

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