パソコンやスマートフォンなどのデジタル端末が広く普及したことで、ネット広告やモバイル広告の市場が拡大し存在感が増しています。昨今のデジタルシフトの流れを受け、「チョコラBB」や「ヘルケア」といったヘルスケア商品を販売するエーザイ株式会社では、YouTube専用動画広告の導入を試みました。テレビCMに加えオンライン動画広告を取り入れた結果、商品へのリーチや売上に効果はあったのでしょうか。

この記事では、エーザイが取り扱うチョコラBBの事例から、広告がどのようにデジタルシフトされたのか段階的に解説していきます。

第一段階:オンライン動画広告で効果を確認

第一段階でエーザイがオンライン動画広告の対象に選んだのは、30~50代女性をターゲットとした同社商品「チョコラBBリッチセラミド」です。動画広告(YouTube TrueView インストリーム広告)を配信する前段階として、エーザイはGoogleが提供するプランニングツール「Extra Reach」(※)を活用しました。ツールの利用により、テレビ広告素材を活用したオンライン動画広告にて、ターゲット層への純増リーチが十分に見込めることが確認できました。

また、配信先は年齢や性別などの人口統計学的属性に限らず、YouTubeのオーディエンスターゲティング設定を活用しました。これは、ユーザーの関心傾向、習慣、積極的に検索している情報など、さまざまなデータに基づきターゲットを絞って広告表示できる仕組みです。オーディエンスターゲティングの活用により、女性若年層の中でも美容意識が高く、商品に関連性のある層へ効果的にオンライン広告を配信できました。

その結果、広告配信期間中の売上は前年同期比で上昇、ターゲット層への純増リーチは8%増加しました。テレビ広告に加え、オンライン広告でも確実にリーチを得られることが実証できたのです。

(※)テレビとYouTubeを組み合わせることで効率的にリーチを獲得するためのシミュレーションツール

出典:Google社 『YouTube 専用動画広告でリーチも売上も拡大:チョコラBB はどのように広告をデジタルシフトさせたか』(写真=MarkeTRUNKより引用)

第二段階:オンライン動画広告専用クリエイティブの作成

第一段階でオンライン動画広告の効果を確認したエーザイは、次の段階として同社商品「チョコラBBローヤル2」のオンライン動画広告専用クリエイティブを作成することにしました。

オンライン動画広告のメリットは、商品に興味を持ちそうなターゲットに最適化したメッセージを効率的に届けられることです。クリエイティブの作成にあたり、エーザイは商品に興味を持ちそうなペルソナをいくつか作り、それぞれに合わせたクリエイティブを作成しました。ビーチ好きにはビーチのクリエイティブ、映画好きには映画を題材としたクリエイティブというように、ターゲットとなる女性若年層の中でもさらに絞り込んで訴求した形です。

その結果、ターゲット層へのリーチは前回の約3倍に増加、広告閲覧者における「チョコラBBローヤル2」検索数の純増率は915%増加しました。さらに、効率的な広告配信により、1回あたりのリーチ単価は従来の1/6以下となりました。

検索数が大幅に増加した理由は、ターゲット層に絞った戦略的な広告配信が、商品に対する顧客の興味関心を引き出したからだと推測できます。オンライン動画広告専用クリエイティブの作成により、商品へのリーチだけでなく、ターゲット層からの関心を得ることにも成功したのです。

出典:Google社 『YouTube 専用動画広告でリーチも売上も拡大:チョコラBB はどのように広告をデジタルシフトさせたか』(写真=MarkeTRUNKより引用)