独立して敏腕コンサルタントに
すでに独立していた私はAさんから相談を受けたとき、迷うことなく独立をすすめました。Aさんは優秀で会社に依存せずとも食べていける能力を持っている、と感じたことはもちろんですが、何よりAさんのような尖ったタイプこそ独立向きだと考えたからです。
自信を失い、独立という選択肢もそれまで頭になかったAさんは、「そうか!」と目の色が変わり、さっそくアクションを起こしました。その結果、今は独立して敏腕コンサルタントとして生き生きと働いています。役員になれなかったことなど、独立後の仕事には何の関係もなかったのです。
組織では周囲に波風を立てないバランス感覚が求められるでしょうが、独立してひとり社長になったら埋もれてしまうかもしれません。むしろ組織で軋轢を生み評価されなかった尖った部分をどんどん発揮しなければ、独立して成功しない場合も多いのです。
出世にはマイナスだったことが、独立後には大きな強みに
働く場が変われば短所に思っていたことも長所に変わるのです。またその逆もしかり。つまり長年働いて築いてきたスキルや能力に短所も長所もなく、自分の持ち味なのであって、それを活かせる場に身を置けばよいだけなのです。
Aさんのエピソードは決してレアケースではありません。会社内で高い評価を得られなかった人が、社外に飛び出して成功するケースは少なくありません。
サラリーマンとしての上司・会社の評価と、「独立してやっていけるかどうか」ということとは、関係がない場合も多いのです。
社内での評価があたかも自分の社会的価値かのように思い込むのは、もうやめにしましょう。自己尊厳と結びつけるのも間違いです。それこそサラリーマンの呪縛です。
50歳からの幸せな独立戦略 ―会社で30年培った経験値を「働きがい」と「稼ぎ」に変える! 前川孝雄(FeelWorks代表取締役)
「70歳まで働く時代」と言われるが、転職や雇用延長など、定年後のキャリアに頭を抱えるミドルは多いはず。しかし著者は「会社で長年培ってきた経験値を活かし、初期投資を極力抑える『FA独立』こそがベストな選択」と言う。自身の失敗経験も交えながら、会社に勤めているうちから始める独立ノウハウを指南。
前川孝雄(FeelWorks代表取締役)
(『THE21オンライン』2020年11月11日 公開)
提供元・THE21オンライン
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